最悪の場合、ドナルド・トランプ米大統領の関税措置によって、韓国の来年の経済成長率が1.4%まで低下する可能性があるという警告が出された。
韓国銀行(韓国の中央銀行)が2月25日、報告書「アメリカ新政権の関税政策がグローバルおよび韓国経済に与える影響」を発表した。
報告書によると、これまで確認されたアメリカ新政権の関税政策の強度は、昨年11月に韓国銀行が想定した「中国以外の貿易赤字上位国には比較的低い関税を課し、柔軟な交渉方針を維持する」という前提よりも高い水準であることが明らかになった。
韓国銀行はこの差を考慮し、今後の関税政策シナリオを新たに設定し、その影響を再評価した。
「基本シナリオ」では、アメリカが中国に対して現在の関税を2026年まで維持し、他の主要な貿易赤字国にはそれよりも低い関税を今年中に課すものの、交渉の進展に応じて2026年以降は段階的に関税を引き下げることを想定している。
この場合、関税政策によって今年の世界経済およびアメリカ経済の成長率予測は、それぞれ昨年11月時点の予想より0.1%ポイント、0.3%ポイント低下すると分析された。来年は世界経済の成長率が0.1%ポイント下がるものの、アメリカは逆に0.2%ポイント上昇すると予測された。
韓国の今年と来年の成長率は、アメリカの関税政策の影響でそれぞれ0.1%ポイント、0.2%ポイント低下する見込みだ。なお、韓国銀行が同日発表した今年と来年の経済成長率予測(1.5%・1.8%)には、すでにこの分析結果が反映されている。
しかし「悲観的シナリオ」では、世界経済の成長率が「基本シナリオ」よりも今年0.1%ポイント、来年0.4%ポイント低下し、アメリカの成長率も0.4%ポイント、0.8%ポイントの影響を受けると予測された。
韓国経済の成長率も今年0.1%ポイント、来年0.4%ポイント追加で低下し、最悪の場合、今年と来年の成長率は1.4%にまで落ち込むと分析された。
このシナリオでは、アメリカが年末までに中国を含む主要な貿易赤字国に対して高関税を課し、それを2026年まで維持し、他国がアメリカに対して強硬な報復関税を実施する状況が想定されている。韓国銀行は、この「悲観的シナリオ」では世界貿易が急激に縮小し、貿易政策に対する不確実性が増大することで、韓国国内の輸出と投資が大幅に減少すると予測した。
一方、「楽観的シナリオ」では、今年と来年の韓国の成長率が基本シナリオよりもそれぞれ0.1%ポイント、0.3%ポイント高くなると予測された。
このシナリオでは、アメリカが中国に対して現在の関税を維持し、他の主要な貿易赤字国には中国よりも大幅に低い関税を課した後、2026年にはすべての国に対して関税を段階的に引き下げるという前提が置かれている。
他の条件が同じで、アメリカ発の関税ショックが想定よりも弱い場合、2025年は1.6%、2026年は2.1%の成長が可能だと予想された。
韓国銀行は「世界市場でアメリカの代替となる輸出先を模索する一方で、アメリカ政府との関税交渉において主導的かつ柔軟に対応する必要がある」とし、「アメリカからのエネルギーや農産物の輸入を拡大することも検討すべきだ」と助言した。
(記事提供=時事ジャーナル)
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