韓国の鉄道車両メーカーがモロッコの鉄道当局と、2兆2027億ウォン(約2300億円)規模の電車の供給契約を締結したという。
2月26日、韓国の複数のメディアによると、韓国の現代ロテムが供給する電車は時速160キロ級で、モロッコ最大の都市・カサブランカを中心に主要地域を結ぶ。
車両のメンテナンスは、現代ロテムと韓国鉄道公社が共同で担当する。今回の受注により、現代ロテムはモロッコ市場に初進出すると同時に、鉄道の単一プロジェクトとして過去最大規模の受注記録を打ち立てた。
現代ロテムが供給する電車は、2030年のサッカーワールドカップ共催を控えるモロッコの公共交通の発展に貢献すると期待される。
ただ注目したいのは、現代ロテムが過去に台湾に輸出した電車でトラブルを起こしたことがあるという点だ。
中国の国営メディアは2022年4月、1年前から台湾で運行されている現代ロテム製の電車(EMU900)の一部で、ドアが閉まらない、客室内の転倒防止板が異常作動するなどの問題が発生し、乗客に不便をもたらし、列車の運行に支障をきたしたと報じたことがある。
報道によると、問題となっている電車は台湾鉄道が2021年4月から現代ロテムから520両を輸入し、本格導入したもので、当時、台湾鉄道は現代ロテムに対し、総額58億元(約1195億円)を支払ったという。
台湾鉄道は電車を導入する際、車両内に妊婦専用座席や自動センサー付き照明、ピンクを基調とした内装を採用し、「世界で最も美しい電車」として高く評価されたこともあった。
しかし、運行開始から1年も経たないうちに故障が頻発し、乗客が撮影した動画や写真が次々とSNSで公開されて議論に。台湾鉄道管理局が「列車が高速走行する際、風圧の影響で転倒防止板の固定装置の一部が外れた。この問題について、現代ロテムに改善を要請している」と公式に発表する事態となった。
一部の台湾メディアは「電車の運行開始から1年間で約700件の大小様々な故障が発生した」とし、「台湾の住民は電車の安全性を深く懸念している」と報じた。
その続報は韓国ではあまり伝わってこないが、今回モロッコに供給される電車で同様の問題が発生しないことを願いたい。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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