しかし、その勢いは長続きしなかった。同年10月に肘の靭帯接合手術を受けると、予想よりもリハビリが長期化し、2019~2020シーズンの2年間を丸ごと棒に振ったのだ。
それでも懸命にリハビリに励んだクァク・ビンは、昨年5月に復帰するとともに1軍に登録され、再びプロ野球の舞台に戻ってきた。長期間の空白のせいで起伏が大きく、持ち味の重い直球も制球難に苦しんだが、同年9月についに安定感を取り戻した。
その後はポストシーズンでも先発を務め、斗山の7年連続韓国シリーズ進出に貢献したクァク・ビンは、今年もその勢いを受けてエースの座を獲得した。
「入団以降リハビリが長く続き、昨年は期待されたほどの成績を出せなかった。今年初めまで自分の成長が遅いと感じていたが、後半戦になってこれまでと変わった投球ができて良かった」と笑顔で伝えた。
斗山は来季から元巨人のイ・スンヨプ新監督が率いる新体制に生まれ変わる。クァク・ビンはそこで先発陣の一角を担う必要がある。
イ・スンヨプ監督と面談を行ったというクァク・ビンは、「芸能人を見ているようだった」と笑いながらも、「監督がポジティブな話をたくさんしてくれた。自分に多く期待をしているようだった。その期待に応えられるよう、オフシーズンの身体づくりを頑張りたい。来季は前半戦から良いピッチングをして、監督に認められたい」と伝えた。
クァク・ビンの次なる目標は自身初の野球韓国代表入りだ。先月に突如中止が発表された「MLBワールドツアー・コリアシリーズ」で、クァク・ビンはMLBオールスターと対戦するチームコリアのメンバーに選ばれていた。惜しくも対戦が実現しなかったとはいえ、代表に選ばれるほどのポテンシャルを持ち合わせていることは言うまでもない。
「これから行われるWBC、アジア大会、プレミア12などの各国際大会に出場したいと誰よりも強く願っている。この2年間でリハビリが大変だったので、それが補償されてほしい」と話したクァク・ビンは、「国に必要な投手になることが目標だ」と力を込めて語った。
現在、クァク・ビンは軽い肩の痛みのため最終キャンプで回復組に編成され、リハビリを進めている。来季の春季キャンプ参加、さらにはWBC出場のため、万全な体を作っている。
「来年のためにリハビリをしている。国に必要な投手になるためには、まずはケガをしないようにしなければならない」と伝えたクァク・ビンは、「もう一度申し上げるが、WBCには必ず出場したい」と、韓国代表に対する強い意志を改めて表明した。
来年3月に行われるWBCで、韓国と日本は1次ラウンドで同組に入っている。大谷も現在、侍ジャパン入りが噂されているだけに、クァク・ビンとの直接対決が実現する可能性もある。
はたして“韓国高校野球の大谷翔平”が侍ジャパンの前に立ちはだかる瞬間は見られるのか、野球韓国代表のメンバー構成が気になるところだ。
(記事提供=OSEN)