韓国代表は現在、国内組中心のチーム編成で最終合宿を行っており、11月11日に国内でアイスランド代表とW杯前の最後の強化試合を行った後、翌12日にメンバー26人を発表する予定だが、KFA(韓国サッカー協会)関係者によると、チームを率いるパウロ・ベント監督も「例えソン・フンミンが試合に出場できない状況でも(カタールに)連れて行く」という強い意志を抱いているという。
ベント監督としてはキャプテンかつ絶対的エースでチームの“精神的支柱”であるソン・フンミンをひとまず帯同させ、負傷部位の状態を見ながら出場のタイミングを計るのではないかというが大方の見方だ。
KFAの幹部も、『スポーツソウル』の取材に対し「ソン・フンミンも(W杯に)出場することを望んでいる。ベンチにいるだけでもチームメイトにとっては大きな力になる。手術を無事に終えたので、(ポルトガル代表との)第3戦にはプレーしてほしいという希望もある」とコメントした。
ただ、ソン・フンミンのカタールW杯強行出場を危惧する意見もある。シーズン真っ只中の欧州リーグを一時中断して開催されるカタールW杯。無事に戦い終えても、大会終了直後には直ちに所属チームに復帰し、休む暇なくふたたび厳しいシーズンを戦わなければならない。
無理をして新たな負傷をしてしまえば、2022-2023シーズンを悪夢のように過ごすこともあり得る。それはトッテナムはもちろん、韓国サッカー界にとっても大きな損失になるという意見だ。
昨季はアジア人選手として初めてプレミアリーグ得点王に輝き、名実ともにアジア最強最高のプレーヤーとして全盛期を謳歌するソン・フンミンが3度目のW杯で活躍することは誰もが期待している。パク・チソンに並ぶ3大会連続ゴールを期待する声もあるし、韓国代表を2010年南アフリカ大会以来の決勝トーナメント進出に導く姿を描いているファンも多い。
はたしてソン・フンミンはいつどんな姿でカタールW杯のピッチに立つだろうか。W杯開幕まであと10日。引き続きソン・フンミンの状態はチェックしていきたい。
文=慎 武宏
*この原稿はヤフーニュース個人に掲載した記事を加筆・修正したものです。