日本では「外国人」とみなされ、韓国でも「日本人」と認識されてしまうことの多い在日コリアンの金大生は、韓国国籍を持っている。
日本で生まれ育ったが、両親からいただいた「金大生」という名前を手放さず、韓国に自分の夢と未来があると信じて海を渡った。
「韓国に来てサッカーをしてみたいと思っていました。安柄俊選手がKリーグ2で得点王とMVPを獲得し、大活躍するのを見て、Kリーグに挑戦する決心をしました。実際、選手として新しい場所で多くのことを学び、成長したいと思ったときに、真っ先に思い浮かんだのが韓国、そしてKリーグでした」と金大生は言う。
彼は日本で注目される機会を得る代わりに、韓国での新しい挑戦を選んだ。
前所属チームのいわきFCは、下部リーグからスタートして驚異的なスピードで昇格を重ね、創設10年目の昨年にJ3リーグで優勝。今季からJ2リーグの舞台を戦う。韓国と比べて下部リーグが多い日本の状況を考慮すれば、1~2年に一度ずつは昇格してきているわけだ。
金大生も2021年、JFL優勝とJ3リーグ昇格に貢献しただけに、日本に残っていればチームの主軸としてJ2に挑戦できるチャンスはあったかもしれない。
だが、金大生には「自分も誰かのロールモデルになりたい」という夢があった。