高橋は昨シーズン、19試合に登板して6勝7敗、防御率2.47、134奪三振を記録した。最速160kmに達する“光速球”が高橋の主な武器だ。
中日との練習試合に「8番・一塁手」で先発出場したチョ・ミンソンは、0-1とリードされた3回に先頭打者で打席に立つと、高橋が投じた152kmの速球を打ち返し、右前安打につなげた。
プロ初年度の昨年、1軍でわずか12試合の出場にとどまったチョ・ミンソンが侍ジャパン投手に一撃を与えた姿に、会場にいた多くの人々が驚いた雰囲気だった。チョ・ミンソンは5回にも中前安打を放ち、マルチヒットを達成した。
3点差が開いた7回には一死満塁のチャンスで3打席目に立ったが、惜しくも三振で打ち取られた。ダッグアウトに戻ったチョ・ミンソンは悔しさを隠せない表情だった。
結局、試合はサムスンが0-7と大差で敗れた。それでも、チョ・ミンソンの活躍は敗北のなかに見出した貴重な収穫だった。
試合後、報道陣の取材に応じたチョ・ミンソンは、「試合前にWBC日本代表の高橋投手が先発登板することを聞いたが、特に意識はしていなかった。普段通りにしようとした」と話した。
続けて、「最近の試合では少しタイミングが遅れていた。今回の第1打席でもタイミングが遅れたが、運よく安打につながった。おかでで次の打席も良い流れを続けられた」と伝えた。
チョ・ミンソンは高橋の“光速球”にまったくひるまなかったという。