まず、WBC優勝で日本の関連株価が暴騰した。
それも実際に関連性のあるスポーツ用品メーカーや企業だけではない。ただ名前が同じ会社もそうだ。
最も大きな恩恵を受けたのが、東京にある金属製品メーカーの「大谷工業」だ。
野球選手の大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)とは何の関係もなく、よくある日本企業のように創業者の姓を取った社名に過ぎないが、はじめは4000円台だった株価がWBCに伴い急騰し、連日ストップ高を記録。一時は1万6000円までつけるなど4倍近く上昇した。
サヨナラ安打の効果もすさまじかった。その主人公・村上宗隆(東京ヤクルトスワローズ)の名前と似た自動車用バックミラーメーカー「村上開明堂」の株価は、21日の準決勝直後に8.4%高の3150円で取引された。
そのほか、「クリヤマホールディングス」「岡本硝子」など監督、選手の名前が入った企業も似たような好材料を享受した。
しかし、東京株式市場では異常熱気に対する警告の声も相次いで出ている。実際、大谷工業の場合は17日に1万円割れし、準決勝前には再び回復するなどジェットコースターのような上下動を繰り返した挙句、決勝当日の午後には7000円台にまで急落した。
そして、日本国内では「ペッパーミル」がたちまち品切れになった。ラーズ・ヌートバー(セントルイス・カージナルス)の代表的パフォーマンスが全国的な流行に広がったためだ。料理用よりも応援用として購入する人が増え、“在庫がなくて売れない”状況となっている。
とある販売店のオーナーは、「4年前に入荷し、在庫として溜まっていた製品まですべて売り切れた。60cmの大型サイズも売れた」と満面の笑み浮かべていた。
『MLB.com』ショッピングモールで販売されているキャラクターTシャツも注文が殺到している。大谷とヌートバーがペッパーグラインダー・パフォーマンスをする絵が描かれたグッズだが、4800円という強気の価格にも、羽が生えたように売れている。
一方、最近行われている選抜高校野球ではペッパーグラインダー・パフォーマンスが物議を呼んでいる。相手の失策で出塁した選手が同パフォーマンスをしたことが問題とされ、「相手に対する礼儀がない」と反発を呼び起こしていた。