東京ドームでの”日韓戦”で重傷を負った韓国代表選手に対し、所属球団の監督が残念な思いを表した。
11月19日、東京ドームで行われた日本対韓国の「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」の決勝。
日本が4-3でサヨナラ勝ちを収めた同試合では、延長10回タイブレークの場面でキム・ドヨン(KIAタイガース)が併殺打を放ち、一塁に全力疾走してヘッドスライディングで飛び込んだ際に左親指を負傷した。
当時、キム・ドヨンは親指を抑えて苦痛を訴えていたため、重傷の可能性があるとして懸念されていたが、現実のものになってしまった。
キム・ドヨンは帰国後の20日、世宗スポーツ整形外科でCT検査及びMRI検査を行った結果、左手親指の中手指節関節内側側部靭帯断裂及び剥離骨折の診断を受けた。
22日に世宗スポーツ整形外科で靭帯縫合手術を受け、リハビリ期間は約4カ月かかる予定だ。KIAとしては、2024年シーズンに向けて主力が早くも一人離脱してしまった。
現在、沖縄県で実施中の秋季キャンプを率いているKIAのキム・ジョングク監督は、キム・ドヨン負傷のニュースに呆然とした表情を見せた。
指揮官は「代表に選出されて(左ふくらはぎを肉離れのチェ・ウォンジュンに続いて)また負傷した。残念だ。リハビリ期間が4カ月ということは、(復帰は)来年4月20日だ。リハビリを終えても実戦をこなさなければならない。春季キャンプもオープン戦も難しそうだ。ひとまず、リハビリが早くできることを願うだけだ」と残念な気持ちを表した。
続けて、「ドヨンは新人から2年間負傷し続けている。まだ経験がなく若いからか、プレーの過程で強弱の調節ができていないようだ。バント失敗で併殺打を防ごうとしてヘッドスライディングをした。あのようなヘッドスライディングはするなと禁止させたのに…。(パク・)チャンホにもヘッドスライディングをして罰金を科された。それを見ていたにもかかわらず、してしまった。怪我をするとトラウマが生じてしまう」とため息をついた。
キム・ドヨンはこれまで何度も負傷に苦しんできた。
プロ入り前の2021年には、WBSC U-23ワールドカップで走塁中に左肩を負傷した。プロ入り後、春季キャンプを控えては新型コロナウイルスに感染して合流が遅れた。シーズン途中にはゴロの打球を処理する際に右手を痛めて1カ月離脱した。今年も開幕2試合目に三塁を回って崔、左足の甲を骨折し、6月23日に復帰した。
復帰後は走攻守兼ね備えた看板打者として大活躍し、ポテンシャルを示した。84試合に出場して395打席を消化した。打率0.303、7本塁打、47打点、72得点、25盗塁、OPS(長打率+出塁率)0.824、得点圏打率0.312など、打線の中心としての役割を果たした。そして、アジアプロ野球チャンピオンシップの韓国代表にも選出され、初めて東京ドームの舞台も踏んだ。
今季の成績や代表選出を受けて、来季はシーズンをフルに戦える主力かつ看板選手としての活躍が期待された。
しかし、日本とのアジアプロ野球チャンピオンシップ決勝、2-2の同点で迎えた延長10回表、無死一、二塁の場面でバントに失敗し、併殺を防ごうと必死に身を投げてヘッドスライディングをした結果、致命的な負傷に戻った。
KIA主力遊撃手のパク・チャンホも今年9月、9連勝中だったサムスン・ライオンズ戦で一塁に向かってヘッドスライディングをし、左手を負傷して3週間以上離脱した。彼の離脱に合わせてチームも下落傾向に転じ、ベスト5入りに失敗した。
そして今回、キム・ドヨンまで同じ負傷を抱え、本人はもちろんチームにも致命的な戦力損失をもたらした。来季は主力三塁手かつテーブルセッターの一人を開幕戦で起用できない可能性が高い。
今すぐ代わりの選手を準備することもも容易ではない。まずはピョン・ウヒョクと兵役を終えて除隊したパク・ミンを三塁手で起用するものとみられる。
その間はキム監督の望み通り、キム・ドヨンのリハビリが早く行われることを願うしかない。
(記事提供=OSEN)
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