外国人受け入れ政策のツケ?韓国で深刻な“中国人犯罪”のリアル

2025年05月26日 社会
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現在、韓国に滞在する外国人は250万人を超える。それに伴い、外国人による犯罪も増加傾向にある。

とりわけ、近年は殺人などの凶悪事件が目立ち始めており、社会的な懸念が広がっている。

韓国警察庁の統計によると、2023年に検挙された外国人犯罪者は3万5283人で、前年より7.8%増加。その国籍別内訳では、1万6097人で中国人が最多となり、ベトナム(3920人)、タイ(2203人)、アメリカ(1772人)、ロシア(1383人)と続く。

強盗・強かん・殺人…深刻化する凶悪犯罪

特筆すべきは殺人事件の急増だ。過去3年間は年40件台で推移していたが、2023年は一気に73件へと急増。うち中国人が関与した事件は42件で、全体の過半数を占めた。ベトナム(8件)、タイ(6件)がこれに続く。

殺人以外にも、強かん・強制わいせつ(657件)、窃盗(3111件)、ボイスフィッシングなどの知能犯(4470件)、賭博・風俗(668件)、交通関連犯罪(8274件)も前年より増加している。

犯行の形態も多様化しており、外国人による外国人への犯罪も顕著に増加しているという。なかでも、中国籍の朝鮮族(在中韓国系住民)による事件が目立つとされている。

韓国・京畿道で発生した連続殺人 容疑者は中国国籍

そのような状況で、今年5月に京畿道・始興市(キョンギド・シフンシ)で発生した一連の刺傷事件は、複数の外国人が短時間かつ複数地点で殺害された“連続殺人”として衝撃を与えた。

最初の事件は5月19日午前9時34分、始興市・正往洞(チョンワンドン)のコンビニで発生。60代の女性店主Aさんが刃物で刺され、警察に通報された。警察が現場に到着した際、Aさんは顔面や腹部から出血しており、病院へ緊急搬送された。

続いて午後1時21分には、コンビニから約1.3km離れた公園の駐車場で、70代の男性Bさんが同様に刃物で刺されている状態で発見された。被害者は腹部を深く刺され、こちらも病院へ搬送された。

防犯カメラの記録などから、容疑者が乗っていた車両を特定した警察は、中国国籍の50代男性C氏の所有車であることを確認。さらに捜査を進めた結果、Cさんの自宅ではCさんの弟Dさんの遺体が発見され、続いてCさん自身の遺体もチャ・チョルナム容疑者(57)の自宅で発見されることとなった。

警察は即座にチャ・チョルナムを公開手配し、始興市の野外道路付近で身柄を確保。取り調べに対してチャ・チョルナムは、「2013年からC・D兄弟に数回にわたり計3000万ウォン(約300万円)を貸したが、返してもらえなかったため殺害した」と供述したという。

計画的な殺人と無差別的な襲撃…動機は“金と怨恨”

警察の調べによると、チャ・チョルナムは事前に凶器を準備し、「酒を飲もう」とCさんを自宅に誘い出して殺害。さらにその後、Cさん宅に向かい、同居していたDさんも殺害したという。チャ・チョルナム宅とC・D兄弟宅は約200mと至近距離だった。

一方、Aさんは「自分の悪口を言っていた」、Bさんは「自分を無視したから」として襲撃。この2件は“衝動的な犯行”だったと主張している。

チャ・チョルナムは1997年に不法滞在者として韓国に入国し、2002年に帰国。2012年に再びF-4ビザ(在外同胞ビザ)で再入国すると、今回の事件の舞台となった始興市に住み始めた。C・D兄弟とは長年にわたって近所付き合いがあったという。

過去にも同様の事件…中国朝鮮族による重大犯罪の履歴

チャ・チョルナムの事件は過去の凶悪事件と共通点がある。たとえば、2012年には中国籍のオ・ウォンチュンが韓国人女性を拉致・殺害して遺体を損壊。2015年には同じく中国籍のキム・ハイルが妻を殺害し、遺棄する事件が起きている。いずれも中国朝鮮族による重大事件だった。彼らの多くはF-4ビザ保有者か、不法滞在者として韓国で生活していた。

F-4ビザは、本人または親・祖父母のいずれかが韓国籍を持っている者に与えられる。有効期限はなく、3年ごとの更新で韓国に居住し続けることが可能だ。更新は韓国内で手続きができるため、一度帰国する必要もない。

形式上、単純労働(建設現場や飲食業など)には就けないが、現実は事実上、野放し状態であるとされる。

「無査証入国」が招く治安悪化 ――特に深刻な“外国人の島”・済州島

韓国でも特に外国人犯罪が多発している地域の一つが、済州(チェジュ)島だ。2002年から外国人観光客を対象に「無査証入国制度(ノービザ)」を導入しており、今や30日間の短期滞在が可能となっている。

済州島
(写真=photoAC)済州島

観光促進には一定の効果があったものの、殺人・強盗・暴行・交通違反・不法投棄・公共の場での迷惑行為など、治安悪化を招く副作用も顕在化している。

2024年2月には、済州市のホテルで中国籍の男性が殺害される事件が発生。共犯者を含む中国人男女3人が逮捕されたのだが、犯行動機は仮想通貨の両替を巡る金銭トラブルだった。

さらに、同日には済州市内の納骨堂から6つの骨壷が盗まれる事件も発生。防犯カメラには覆面をした2人組の男が侵入する様子が映っていた。翌日には「骨壷を返してほしければ金を払え」という脅迫電話がカンボジアからかかってきたという。

遺骨を盗んだ中国人
(画像=聯合ニュースTV)遺骨を盗んだ中国人の姿

警察の調査により、容疑者は40代の中国籍男性2人であることが判明した。最初から骨壷を盗む目的で入国し、犯行後は骨壷を済州市内の山中に埋め、即座に出国していたことが明らかとなった。

不法滞在者と国際犯罪組織の流入

2023年時点での不法滞在外国人は約42万人に達し、全外国人滞在者の約16%にあたる。入国時には観光や就労ビザを所持していたが、滞在期限を過ぎても帰国せず、そのまま居残るケースが多いとされる。

こうした不法滞在者は、雇用主からの搾取や暴行、性暴力の被害を受けることもあり、事実上の“無法地帯”となっている。ただ、加害者となった場合の問題はさらに深刻だ。

韓国政府は2012年から、入国時に外国人の指紋を採取・登録しているが、それ以前に入国した者や密入国者は記録が存在せず、犯行後の追跡が困難だ。

過去には、韓国から追放された中国籍者130人が、偽造パスポートや住民登録書類(いわゆる戸籍洗浄)を使って再入国した例も報告されている。

さらに現在、韓国国内には中国をはじめとする海外の暴力団組織が根を張りつつある。外国人の集住地域を拠点とし、麻薬取引、ボイスフィッシング、違法賭博場の運営などで資金を稼ぎ、勢力拡大を進めているという。

韓国では今、外国人受け入れ制度と治安対策のバランスが問われている。制度の緩さがもたらす代償に、国民や観光客までもが不安を募らせる状況だ。

果たして、“開かれた社会”と“安全な社会”をどう両立すべきなのか。今まさに、真剣な議論が求められている。

(記事提供=時事ジャーナル)

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