まず、韓国野党「共に民主党」のシンクタンクである民主研究院のナム・ヨンヒ副院長は30日、「梨泰院惨事の原因は青瓦台（チョンワデ、韓国大統領府）移転のために起きた人災だ」という趣旨の文を自身のフェイスブックに掲載し、ユン・ソギョル（尹錫悦）大統領、オ・セフン（呉世勲）ソウル市長、イ・サンミン（李祥敏）行政安全部長官の辞任を要求した。
続いて「普段とは異なり、かなりの群衆が集まると予想していながら、まともに安全要員を配置ができなかった無能な政府の素顔だ」と厳しく指摘したナム副院長。
青瓦台の移転が今回の事故に繋がったという理由については、「原因は全て龍山（ヨンサン）の国防部にある大統領室に警護が集中したせいだ。拙速に決めて強行した大統領府移転が引き起こした大惨事だ。今も瑞草（ソチョ）洞の大統領私邸から出退勤する珍しい大統領ユン・ソギョルのせいだ」と説明していた。
しかし、これらの主張に根拠はなかったため批判が殺到。ナム副院長は投稿を即刻削除し、ツイッターも非公開にしている。
なおナム副院長が言及した青瓦台の移転は去る5月に行われ、それに伴い、大統領執務室と官邸機能がソウル特別市・鍾路（チョンノ）区から龍山（ヨンサン）区の国防部庁舎へと移った。これは今年3月に当選したユン大統領が、市民との距離を縮め、権威主義的な“帝王的大統領”からの脱却を図るという意味を込めて実施したものだ。
そのユン大統領も、事故後に不用意な一言で韓国国民からの怒りを買った。
