梨泰院雑踏事故の原因と主張された大統領府の移転は何故行われたのか、現状すべてが裏目か

2022年11月09日 社会
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そもそも大統領府の移転は、ユン大統領が最初に提起したものではない。

ユン大統領は何故移転を実施したのか

前大統領府が設置されていた青瓦台は、広大かつ建物が分散していたため、大統領と側近のコミュニケーションが円滑に進まないという問題が幾度となく提起されてきたのだ。

そのため、これまで歴代の大統領たちが移転を計画してきたのだが、さまざまな理由で実現しなかった。

ムン・ジェイン(文在寅)前大統領も候補時代、大統領府を光化門(カンファムン)広場に移転し、青瓦台の敷地を市民に開放すると公約を掲げていたが、2019年に「迎賓館、本館、ヘリコプターなど執務室以外の主な代替機能を、光化門付近で見つけることができない」という理由で全面白紙化となった経緯がある。

ユン・ソギョル大統領

ムン前大統領の任期満了に伴い、大統領選に出馬したユン候補も公約として大統領府の移転を掲げた。移転の目的としては、「既存の大統領府を解体することで“帝王的大統領制”を清算し、国政運営の効率性向上を図る」というものだ。これはユン候補が、自身を“国民に近い”大統領として印象付けるという目的があった。

その後、ユン候補が当選したことにより、2022年5月10日に龍山区龍山洞3街の国防部庁舎が新たな大統領府に。そして公約通り、大統領府は2022年 5月10日0時から国民に全面無料開放されたのだった。

梨泰院惨事だけでなく…

ただ今回の梨泰院事故以前にも、ユン大統領は大統領室移転で大バッシングを浴びたことがある。それは今夏、韓国を記録的豪雨が襲った時だ。

当時、記録的豪雨により外出すらもままならなかったユン大統領は、自宅からリモートで対応したのだが、ハン・ドクス(韓悳洙)首相と電話で報告と指示を続けたことについて指摘されたのだ。

「共に民主党」の党代表候補カン・フンシク議員は当時、「一分一秒を争う国家の災難状況の前に、災難の総責任者であり、災難管理者でなければならない大統領が、雨が降って出勤できなかったという。青瓦台(韓国大統領府)を龍山執務室に移す時、国家安保に全く問題ないと自信を示したのが、わずか3カ月前だ。今後、非常事態が発生してもコントロールタワーとしての役割を果たせるだろうか」と、自身のフェイスブックで苦言を呈したことがある。

このような批判が多数殺到すると、大統領府は業務の混乱を防ぐためのやむを得ない措置だったという立場を示していた。

“国民のため”という名目で大統領府を移転し、青瓦台を開放するも、すべてが裏目に出てしまっているユン大統領。今後、どのような判断を下すのかに注目したい。

(文=サーチコリアニュース編集部K)

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