タバコの火種は消したと思っていても、完全に消火していないこともある。喫煙所でも、灰皿に押しつけられたタバコからうっすらと煙りが出続けていることもしばしば見る。
このように、「消したつもり」で消えていないタバコは火事の要因になり得るわけだが、お隣・韓国で関連した統計結果が公表されたことをご存じだろうか。
10月7日、韓国消防庁が発刊した「2022年火災統計年鑑」によると、2013~2022年の火災件数は41万2573件で、最も多く発生した年は2015年(4万4435件)であることがわかった。
さらに、10年間で火災による人命被害は計2万2869人で、このうち死亡者は3172人、負傷者は1万9千697人に達した。
同期間での火災原因では「不注意」が50.0%(20万6308件)で最も多かった。
「不注意」を細分化すると、「タバコ吸い殻」が30.5%(6万2985件)、「食品調理」が16.7%(3万4445件)、「火種や花火などの放置」が13.4%(2万7644件)、「ごみ焼却」が13.1%(2万753件)という順となった。
なんと、火災の6万件以上がタバコによる不注意という結果になったのだ。
こうした結果に、韓国国内では「国でタバコを麻薬として指定して、製造と販売を禁止すべき」「タバコの値段に消防活動費を上乗せすべき」「路上にはいまだに吸い殻がいっぱい。取り締まりを強化すべきだ」「タバコの値段を上げよう」など、喫煙者に対するキツい意見が多く上がった。
近年では喫煙者に対する肩身が狭くなる一方だが、その裏側にはポイ捨てや路上喫煙など、一部喫煙者のモラルの低い行動も無関係とはいえない。嗜好品だけに、周囲への配慮は欠かしてはならないだろう。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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