近年の技術の発達は人々の生活を豊かにしてくれる一方で、悪事に利用されてしまうこともある。
実際、お隣・韓国では最近、大規模なボイスフィッシング集団が検挙されたのだが、その大胆な手法が注目を集めているのだ。
11月28日、釜山(プサン)警察庁強力犯罪捜査隊は、犯罪団体などの組織、詐欺、犯罪収益隠蔽の規制及び処罰などに関する法律違反の疑いで、中国の電話金融詐欺組織員3人と中継機管理策A氏など16人を拘束し、共犯者7人を不拘束立件した。
彼らは被害者328人を相手に150億ウォンを騙し取ったとされている。
A氏らは2018年7月から今年9月まで、中国各地6カ所にボイスフィッシング組織を設けて犯行に及んだのだが、その手法が驚きだ。
なんと、彼らは最初からボイスフィッシングの疑いかけられるリスクを避けようと、本来「070」で始まるインターネット電話番号を、「010」で始まる携帯電話番号に変える中継器を利用していたのだが、その設置場所としてモーテルやワンルーム、地中のほか、無人島にまで手を伸ばしていたのだ。
当然、無人島に設置された中継器を見つけることは容易ではなかった。
そこで警察は、犯罪に加担していた漁師たちを発見すると、水上バイクに乗って迷ったふりをして追跡し、葦畑に設置された小型テントの中の中継器を発見した。
警察の調査の結果、無人島に設置された中継機は一度に200個の電話をかけられる性能を持つことがわかった。中継機に必要なバッテリーや太陽光パネルは、漁師たち自ら購入したものだという。
このような犯行に、韓国国内では「こんなことに協力するのはもはや漁師ではなく、ただの犯罪者だ」「上が腐っているから下も腐っていく」「強力な処罰をしなければならない」など、多くの意見が寄せられていた。
技術力の発展は本来、正しいことに使われるべきだが、悪行に使われてしまうこともある。結局のところは使用する人次第だということだ。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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