「強烈なアンモニア臭が漂っていた」20年も繁殖や屠殺、自治体も把握せず…韓国の違法繁殖場から犬600匹を救出

2024年10月20日 社会
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20年以上にわたって違法に動物生産業をしてきた韓国の違法繁殖場から犬600匹が救出された。

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驚くことに、この繁殖場は長年違法に運営されていたが、釜山(プサン)・江西(カンソ)区は違法建築物に対する履行強制金のみを課し、動物保護法違反については把握していなかったことが明らかになった。

動物保護団体連合「ルーシーの友達」は10月17日、釜山・江西区にある違法動物繁殖場から犬600匹を救出した。この繁殖場では最小限の衛生管理すら行われておらず、小型犬が吊りかごにぎっしりと詰め込まれていた。吊りかごの底には毛や排泄物が山積みになっていた。

「ルーシーの友達」によると、この繁殖場は25年にわたり違法に繁殖、手術、屠殺などを行っていたという。動物保護法では、ペットを生産して販売する者は管轄自治体から施設の許可を得なければならない。

しかし区は、これまで違法建築物に関する履行強制金は課していたが、動物保護法違反の事実は摘発できていなかった。

「ルーシーの友達」は、自治体の管理の不備と名ばかりの動物保護法を批判した。

今回保護された犬の一部
(写真=ルーシーの友達)今回保護された犬の一部

関係者は救出時の状況について、「出産を控えた母犬や、子犬を産んだ動物のための専用スペースなどはまったく期待すらできなかった。動物たちは終わりのない迷路のような繁殖場の隅々に閉じ込められており、それらを見つけ出すのも難しいほどだった。環境は非常に劣悪であり、強烈なアンモニア臭が漂っていた」と伝えた。

続けて、「この繁殖場は自治体の管理監督を一切受けることなく、完全に違法に繁殖業を営んでいただけでなく、ケージを4段に積み上げるなど、すべての施設基準や50匹につき1人の人員配置などの人員基準も違反していた」と指摘した。

そして「行政機関の注意義務の怠慢によって、動物虐待の連鎖を断ち切ることができる貴重な機会を失った。ペットの競り市の廃止と生産・販売の厳格な制限を求める韓国版『ルーシー法』を導入すべきだ」と訴えた。

イギリスで2020年4月6日から施行された「ルーシー法」とは、第三者による生後6カ月未満の子犬や子猫の商業販売を禁止する法律のことだ。

今回救出された犬は「ルーシーの友達」の連合団体が運営する保護施設に移され、治療を受ける。その後は譲渡が行われる予定だ。

違法繁殖場のニュースを受けて、オンライン上では「20年も知らなかったとは話にならない」「区の責任も問わなければならない」「ペットショップをなくさないことには、こういうことはまた起きてしまう」「救出した犬たちの今後が気になる」といった声が上がった。

(文=サーチコリアニュース編集部O)

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