帰宅中の20代女性を性的暴行の目的で無差別に襲撃した、いわゆる「釜山（プサン）回し蹴り事件」の加害者に対し、被害者へ1億ウォン（約1090万円）の賠償を命じる判決が確定した。
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10月21日、釜山地方裁判所・民事3単独（チェ・ヨン判事）は、被害者が加害者のイ氏を相手取って起こした1億ウォンの損害賠償請求訴訟において、原告勝訴の判決が確定したと発表した。
裁判所は、被告であるイ氏が訴訟過程で一度も法廷に出廷せず、意見書も提出しなかったため、原告の主張を認める「自白擬制」に基づいて原告の請求額全額を認めた。
イ氏はこの判決に不服を申し立てて控訴状を提出したが、控訴に必要な印紙代と送達費用を支払わなかったため、控訴状は却下された。
イ氏は控訴状却下の命令が届いた後、14日以内に控訴印紙代と送達費用を支払ったり、控訴状を再提出したりすることもなく、却下命令に対する即時抗告も行わなかった。
ただ民事訴訟の特性上、賠償が確定したとしても、被告に財産がない場合は実際の差し押さえや執行が困難になる可能性がある。
イ氏は2022年5月22日午前5時頃、釜山鎮（プサンジン）区で帰宅途中の被害者を性的暴行する目的で約10分間追跡し、オフィステルの共用玄関で襲撃して殺害を図ったとして起訴された。
当初、イ氏は殺人未遂の罪で起訴されたが、事件当時、被害者のジーンズからイ氏のDNAが検出されるなどの追加の証拠が出たため、検察は控訴審で強姦殺人未遂の罪に公訴事実を変更した。
検察はイ氏が犯行当時、被害者の服を脱がせて性的暴行を試みたが、人の気配を感じて逃走し、未遂に終わったと見ている。
イ氏は法廷で「殺害する意図はなかった」と主張したが、控訴審の裁判所はこれを受け入れなかった。
控訴審の裁判所は「無防備な状態にあった被害者を執拗に殴打して気絶させ、性犯罪に及ぼうとした」とし、「殺人の未必の故意が認められる」と判断した。
被害者は国家を相手取って、捜査の不備に対する責任を問う損害賠償請求訴訟も起こしている。
（記事提供＝時事ジャーナル）
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