道路上を走る「自転車同好会」が韓国で増えるなか、自家用車の運転手たちが迷惑を被っている。
一部の自転車同好会の会員が集団で狭い道路を占拠したり、信号を無視したりする危険な走行を行っているためだ。これに伴い、自転車需要に応じて専用道路の拡充が必要だという指摘も出ている。
去る12月1日、京畿道・華城(ファソン)市に住む会社員のキムさん(26)は、自家用車を運転中に危険な体験をした。自転車同好会と思われる10人余りの集団が突然、走行中の車の前に飛び出し、事故になりかけたという。
オンラインコミュニティでは、このように突然飛び出して事故を引き起こす一部の自転車利用者を揶揄して、「チャラニ(チャジョンゴ=自転車+コラニ=キバノロ)」という言葉も生まれている。
キムさんは「自転車利用者が2列横隊で移動したため、1車線が麻痺するほどだった」と述べ、「道路と歩道を行き来して走行し、運転手だけでなく歩行者も危険にさらされるところだった」と話した。
また、一部の自転車利用者は交通法規を違反してまで危険極まりない走行をしているという指摘もある。
仁川(インチョン)・松島(ソンド)に住む会社員のシンさん(27)は「赤信号で走行するのは当たり前で、1車線を走っていた自転車集団が突然3車線まで横切ることもある」とし、「なぜこれほどまでに他人に迷惑をかけながら自転車に乗るのか理解できない」と嘆いた。
自転車事故による死亡者は毎年200人に上る。道路交通公団によると、2018年から5年間で自転車事故の死亡者は959人、負傷者は5万7706人に達した。そのなかで、自動車との衝突による自転車運転者の死亡割合が、約80%を占めているという。
こうした背景から、自転車専用道路の拡充が必要だとの声が上がっている。
行政安全部によれば、自転車専用道路は自転車道路全体のうち13.9%(3648km)に過ぎない。自転車道路には、自転車のみが通行できる自転車専用道路、歩行者も通行可能な自転車・歩行者共用道路、車道の一部を自転車のみが通行できる自転車専用車線、自転車と他の車が共通で通行できる自転車優先道路が含まれる。
道路交通法第13条第2項や政府出捐研究機関の韓国交通研究院によると、自転車は「自転車道路」を通行することが原則だ。ただし、自転車道路がない場合は車道を通行することが許される。
自転車が車道を走る場合、道路の右側部分に寄って通行しなければならない。これは後続車が安全に追い越しできるスペースを提供するためだ。右端車線以外の車線を使用すると警察の取り締まり対象となり、罰則金が科される可能性がある。
また、前を走る自転車や自動車とも適切な間隔を保たなければならない。前方車両が急停止した際に停止できる安全距離を確保する必要があるためだ。
さらに、2台以上が横並びで走ることは原則禁止されている。ただし、並列走行が許可された標識がある場合や、同方向に複数の車線が設置されている場合を除き、1列で通行しなければならない。
道路交通公団の交通AIビッグデータ融合センターのパク・ヘス課長は、「自転車が効果的な交通手段として定着するためには、自転車も道路交通法上、車両に該当するという認識を持つことが重要だ」とし、「ヘルメットなどの保護具の着用や飲酒運転の禁止といった交通法規を遵守し、正しい運行を通じて安全な自転車文化を構築していく必要がある」と強調した。
(記事提供=時事ジャーナル)
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