韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の突然の非常戒厳令。戦争や騒乱状態ではない「平時」だっただけに、国民から大きな反発を招き、多くの市民が抗議している。
国会前では尹大統領の退陣を求めるデモが行われている。政権への不満を込めてキャンドルに火をともす「ろうそくデモ」は、韓国では集会現場でよく見る光景だ。
そんななか、12月11日に一風変わった“キャンドル”が2000本以上も点灯した。その火をともした参加者たちも尹大統領の退陣を訴えた。
一般的なデモや集会と異なるのは、インターネットを活用した「オンラインろうそくデモ」という点だ。
参加者たちが指定されたリンクアドレスに入ると地図が浮かび、好きな地域にキャンドルを表示してコメントを残すことができる。これこそ現代的なデモ行為といえるだろう。
「オンラインろうそくデモ」の制作者は「ろうそくデモに参加できなくても、ここであなたの心を伝えてほしい。小さなキャンドルでも集まれば大きな希望になる」と積極的に参加を促している。
実際に韓国で現政権に対する弾劾デモが盛んだが、不満を抱くすべての人がデモに参加できるわけではない。それを踏まえて考えられたこのオンラインろうそくデモは、若年層を中心に好意的にとられている。
オンライン上でのデモについて、韓国内では「とてもよくできている」「韓国を支えているのは、平凡で偉大な市民だ」「我が国の民は偉大だ。それぞれの方法で心を集めようとする。こうした人たちのおかげで未来は明るい」など、肯定的な意見の人が多い。
このオンラインろうそくデモに限らず、SNSのプロフィール写真をキャンドルに変えたり、YouTube上で積極的な啓蒙活動を行ったりする人も増えている韓国。国民の心を不安にさせた尹大統領の代償は大きい。
■「李在明は戒厳令以上のことをやりかねない、右派を根絶する」韓国与党議員が警告
前へ
次へ