「日本の植民地支配を美化した大学教授を罷免せよ」“植民地近代化論”を唱えた韓国教授を市民団体が非難

2025年01月07日 社会 #歴史問題
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日本による植民地時代を美化したという韓国の大学教授に批判の声が集まっている。

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光州(クァンジュ)の市民団体や全南(チョンナム)大学の構成員団体など151団体が1月6日、全南大学で記者会見を開き、「日本の植民地支配を美化し、民主化運動を貶めた全南大学のキム・ジェホ教授を罷免せよ」と非難した。

団体は「教育部傘下の公的機関である韓国学中央研究院が発刊した『韓国経済史概観』は、日本の植民地支配を美化し、韓国の民主化を貶めている」とし、「この本の著者であるキム教授が民主化の聖地であり、5・18の発端となった全南大学に籍を置いている事実が恥ずかしい」と述べた。

「5・18」とは、「光州事件」のことだ。1980年5月18日から27日にかけて光州で軍事クーデターに抗議し、民主化を叫ぶ学生が軍事鎮圧され、多くの死傷者を出した事件だ。

さらに団体らは、「キム教授は日本の植民地支配が朝鮮半島を近代化させたとする“植民地近代化論”で有名な落星(ナクソン)大学経済研究所の一員であり、2008年にはニューライトの代案教科書の執筆にも参加した」とし、「また、5・18特別法が思想や言論の自由を侵害するとして廃止を主張した厚顔無恥な学者だ」と批判した。

記者会見を開いた市民団体
(写真=全南大学民主同友会)記者会見を開いた市民団体

他にも、キム教授が自身の著書で「朝鮮王朝とは異なり、総督府は経済成長に必要な投資を行うことができた」「韓国の産業生産は独立後、日本との経済関係が断絶した後に急激に減少した」などと主張していることを取り上げ、「日本の植民地支配を美化する内容を記した」と指摘した。

団体は「光州民主化運動の発祥地である全南大学にキム教授が所属している事実が恥ずかしい」とし、「キム教授は直ちに辞任せよ」と強く求めた。

要するに、キム教授は“ニューライト”であるから辞任すべきだということであるが、ニューライトとは、本来「新保守主義」を意味する。韓国では2000年代から注目され、事実上「親日派」に近い意味合いで使われている。

韓国の独立運動家やその遺族らで構成された「光復会」がホームページに載せた「9大ニューライトの定義」を見ると、ニューライトは「日本政府の主張通り『植民支配合法化』を図る一連の知識人や団体」となる。「日帝強占期の朝鮮人の国籍を日本だと強弁する」「慰安婦や徴用を『自発的だった』と強弁する」などが“ニューライト判別法”とのことだ。

日本の植民地支配によって韓国が経済発展したという主張は、その典型といえる。

ただし、学問的な主張には自由が前提となる。そのためオンライン上では「こんな人が教授とは信じられない」「全南大学の名誉を汚している」といった声がある一方で、「理解できないのだが、なぜ異なる考えを持ってはならないのか。歴史を見つめる視角や考えは様々で問題ないのでは?」「研究した結果として出した教授の結論なのだから、頭ごなしに否定するのでは意味がない」といった反応もあった。

韓国では慰安婦を否定的に扱った大学教授が裁判にかけられるなど、歴史問題を研究する大学教授がトラブルに巻き込まれることが少なくない。

(文=サーチコリアニュース編集部O)

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