全羅南道・務安(ムアン)国際空港で発生した「チェジュ航空旅客機事故」と関連し、韓国の法律事務所がアメリカで「製造物責任訴訟」を起こす計画を発表したところ、遺族たちが反対の立場を表明した。
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1月23日、遺族たちによる家族協議会は声明を発表し、「痛ましい事故を営業に利用しようとする複数の法律事務所を強く非難する。事故発生からまだ1カ月も経過していない」とし、「現時点で賠償や補償に関する金銭的な話を遺族の同意なく行うことは、犠牲者への礼を欠く行為だ」と批判した。
さらに「遺族に個別に接触し、事件を受任しようとする行為や説明会の開催などを中断してほしい」とし、「遺族が団結することこそ、事故の真相を究明するうえで最も重要な力となる」と強調した。
これに先立ち、ハ・ジョンソン弁護士(法律事務所ナル)は「チェジュ航空旅客機事故」と関連し、航空機製造会社のボーイング社やエンジン製造業者を相手取って、アメリカで訴訟を起こすと発表した。
この事故の一次的な原因は、「鳥との衝突によるエンジンの火災発生と作動停止、さらにこれに伴う電源と油圧の喪失」であり、これはアメリカの航空機認証基準に違反しているとハ弁護士は主張している。
ハ弁護士は、ボーイング社やエンジン製造業者であるCFMインターナショナルを相手取った製造物責任訴訟をアメリカで提起する計画について、来る2月5日に光州(クァンジュ)の「金大中コンベンションセンター」で説明会を開催する予定だったが、遺族の反発を受けて延期を検討している。
ハ弁護士は、アメリカで訴訟を進めることは法律事務所の利益のためではなく、「迅速な真相究明」のためだと強調した。彼は「事故調査結果がいつ出るかわからない。1年以上かかる可能性があるなか、それを待ってからアメリカで訴訟を起こすのは一般的ではない」と述べた。
続けて「アメリカのディスカバリー制度(証拠開示制度)を活用し、鳥類吸入に対する耐性がないエンジンの欠陥や、電力喪失に対応するRAT(ラムエア・タービン)の欠落という欠陥を明らかにする機会と時間を無駄にする可能性がある」と指摘し、「遺族の権利保護のために、事故原因の調査結果が出るまで待ってからアメリカで訴訟を起こすのは、賢明な選択ではない」と主張した。
なお、昨年12月29日、全羅南道の務安国際空港で181人を乗せたチェジュ航空の旅客機が着陸に失敗し、179人が犠牲になる大惨事が発生した。原因究明が進められているが、現時点では空港の構造物が被害拡大の一因とされている。
(記事提供=時事ジャーナル)
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