尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が弾劾裁判の最終陳述のために準備した書面で、「申し訳ない」を2回、「恐縮」を1回言及したことが確認された。
一方で、「野党」は48回、「スパイ」は25回登場し、陳述の大部分を占めていた。
これは、2024年12月3日の非常戒厳宣言が野党の暴挙を抑え込むものという点を強調するためと解釈される。
2月25日、尹大統領はソウル・鍾路(チョンノ)区の憲法裁判所大審判廷で行われた弾劾審判の第11回弁論期日に出席し、A4用紙77ページ分の書面を読み上げた。
この中で尹大統領は、非常戒厳の原因として指摘した「野党の暴挙」を強調することにかなりの時間を割いた。
尹大統領は「我が国は帝王的な大統領ではなく、帝王的な巨大野党の時代だ」と述べ、「帝王的な巨大野党の暴走が大韓民国の存立危機を招いている」と強調した。
そして、野党が▲スパイ罪の処罰を目的とした法改正に反対した、▲国防予算を削減して軍を無力化した、▲非常戒厳後に内乱の扇動を行った、▲公職者の連続弾劾で政府を麻痺させた、などの主張を展開した。
書面では「野党」が48回登場したが、実際の発言ではそれより多い50回以上言及している。
「スパイ」は25回言及された。尹大統領は「『今の時代にスパイがいるのか』という人もいるが、スパイは消えたのではなく、大韓民国の自由民主主義を崩壊させる体制転覆活動に進化した」と述べた。
そして、「2023年に摘発された民主労総のスパイ団事件を見ても反国家勢力の実態を簡単に確認できる」と付け加えた。
また、「北朝鮮」も15回登場した。尹大統領は「(北朝鮮の工作員と接触した勢力が)前回の大統領選直後に『大統領弾劾の火種をつけろ』として具体的な行動指示を出した。そして実際に『尹錫悦の先制弾劾』集会が開かれ、2024年12月初めまでに178回もの大統領退陣・弾劾集会が行われた。これは北朝鮮の指令通りになったのではないか」と反問した。
一方、「申し訳ない」は2回、「恐縮」は1回言及された。1回目の謝罪は非常戒厳によって不便をかけた国民に対して、2回目の謝罪は支持者に対してだった。
尹大統領は「国家と国民のための戒厳だったが、その過程で大切な国民の皆様に混乱と不便をかけてしまい、心から申し訳なく思っている」とし、「一方で、多くの国民が依然として私を信じてくれている姿に重い責任感を感じた。国民の皆様に申し訳なさと感謝の気持ちをまず伝えたい」と述べた。
その他にも、「中国」が7回、「扇動」が6回、「選管委(選挙管理委員会)」と「暴挙」がそれぞれ5回登場した。
同日、尹大統領は裁判官に対して、職務復帰後は残りの任期に執着しない意向を示し、「職務に復帰することになれば、まず87年体制を現状に適応させ、未来世代にしっかりとした国家を引き継ぐための改憲と政治改革に任期後半を集中させたい」と語った。
憲法裁判所はこの日、尹大統領に対する弾劾審判の弁論を終結させた。
双方の総括弁論を聞き、弾劾訴追委員であるチョン・チョンレ国会法制司法委員長と尹大統領の最終陳述をもって、11回にわたる弁論をすべて終了した。
今後、憲法裁判所は裁判官の評議と評決を経て、尹大統領の弾劾の可否を決定する。判決は3月中旬に出る見込みだ。
(記事提供=時事ジャーナル)
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