2020年12月に獲得が発表され、翌2021年2月からKTに合流したアルモンテ。そもそも彼は、前年に打撃4冠とMVPを受賞する華々しい活躍で、阪神タイガースに引き抜かれたメル・ロハス・ジュニアの後釜として補強された。当時、KTはアルモンテについて「速球にも変化球にも対処できる中距離打者」と、チームの新たな中心選手になれる助っ人として大きな期待を寄せていた。
実際、シーズン開幕3試合目で初の適時打を放つと、6試合目で初本塁打を記録。打撃面では着々と好成績を残していた。
しかしその一方で、太ももを痛めていたアルモンテは外野守備や走塁に難があった。
まず、4月18日のキウム・ヒーローズ戦では、守備で迎えた無死一塁の状況で左中間に飛んだ打球を“ゆっくり”追いかけたことで、この間に二塁適時打を許した。打球のスピードもそう速くなかったため、少し速く走ればフライで打ち取れるか、単打に防げたところを、アルモンテは球が外野の壁に当たって跳ね返るのを待ったのだ。
また、同日の打席では右中間に抜ける“二塁打コース”の打球を放ちながら、一塁に到達した時点で満足する様子を見せた。こうしたプレーぶりにファンからは「守備で打球を捕ろうという意志が見えない」「走塁時に進塁しようという気が感じられない」といった指摘が飛び、同じタイミングでKBOに参戦した元広島東洋カープのホセ・ピレラ(サムスン・ライオンズ)と対照的だという声まで上がった。
その後はある程度の成績を残していた打撃面もスランプに陥り、開幕から1カ月が経った5月には先発落ちが続くようになる。
そんななか、5月26日のSSGランダース戦で見せた走塁が、不振に怒るファンの火に油を注ぐことになった。