アメリカメディア『ジ・アスレチック』は今冬のフリーエージェント(FA)市場を分析し、「今年のFA市場最大の恩恵者は、ニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジでも、サンディエゴ・パドレスと驚くべき契約を結んだザンダー・ボガーツでも、サンフランシスコ・ジャイアンツとの大型契約で補償を受けたカルロス・コレアでもないかもしれない」と伝えた。
それとともに、「最大の勝者は来年のFA市場の大谷翔平かもしれない。この選手たちにこれだけ多くの費用を要したのであれば、大谷を獲得するにはどれだけ多くの費用を出さなければならないのか?」と、契約の見通しを来年まで広げた。
今年のFA市場ではメガディールが殺到した。今季ア・リーグMVPのアーロン・ジャッジはヤンキースと9年3億6000万ドルの契約を結んだ。また、レッドソックスの遊撃手ボガーツはパドレスに向かい、11年2億8000万ドルという大型契約にサインした。パドレスはすでにフェルナンド・タティス・ジュニア、キム・ハソンというトップクラスの遊撃手を2人擁しているが、新たな賭けに出た形だ。
そして、ツインズと昨年に3年1億530万ドルを結んだが、1年でオプトアウトを宣言してFA市場に出たコレアは、ジャイアンツと13年3億5000万ドルの契約を結んだ。
投手のFAも、負傷歴や年齢を気にせず大型契約が結ばれた。肘や肩、脇腹などの負傷により、直近3シーズンで12試合、15試合、11試合の登板にとどまったジェイコブ・デグロムは、5年1億8500万ドルが保障される契約を結んだ。来年に40歳を迎えるジャスティン・バーランダーは、デグロムが去ったニューヨーク・メッツと2年8600万ドルのジャックポットを放った。
市場価格が高騰しているなかで、来季終了後にFA資格を得る“二刀流”大谷の年俸基準点も高くなるという意味だ。同メディアは「4億ドルの概念もおかしく見える。5億ドル契約に対する展望も説得力がある」と見通した。
同メディアは今回、大型契約を結んだ選手たちと大谷を比較し、大谷が彼らよりも優れていることに言及した。「今年、大谷が0.875のOPSを記録した。ボガーツ(0.833)やコレア(0.834)よりも優れている」とし、「大谷は遊撃手でプレーできないが、代わりに投球を展開し、デグロムの3.08より低い2.33の防御率と101.2イニングを多く投げた」と強調した。
同メディアは今年の契約が大谷の来年のFA契約にも影響を及ぼす点を明確にしながら、「今や理解できるだろう。大谷の価格が具体化し始めた。彼は金額の記録を破ろうとしている。ただ一つの質問は、はたしていくらになるのかということだ」とし、好奇心を増幅させた。”予備FA”の大谷が早くも笑っている。
(記事提供=OSEN)