タナカは3月30日、北海道北広島市のエスコンフィールドで行われたパ・リーグ開幕戦の北海道日本ハムファイターズ戦で先発登板。5.2回を投げて2被安打、2四球、1死球、5奪三振、1失点の好投を披露し、楽天を3-1の勝利に導いた。
同日の試合は3万5000席規模の開閉式ドーム球場エスコンフィールドのレギュラーシーズン初試合で、公式戦こけら落としだった。
そんな記念すべき試合で、ホームチームの日本ハムを相手に田中が楽天の先発投手として勝利の栄光を抱いた。高校時代を北海道で過ごした田中にとって、さまざまな意味のある一日だった。
5回一死まで日本ハム打線をパーフェクトに抑えるなど、圧巻の投球を見せた田中は、6回一死満塁で野村佑希に犠牲フライを許して点数が唯一の失点だった。最速150kmの直球と鋭いスライダーで空振りを引き出し、三振を奪った。
田中が日本で開幕戦の勝利投手となったのは今回が初めてだ。2012年の楽天在籍時、千葉ロッテマリーンズ戦で初めて開幕投手を務めたが、当時は敗戦投手となった。その後、11年ぶりの開幕戦先発で勝利を収めた。
米メジャーリーグのニューヨーク・ヤンキース時代にも、田中は4回開幕戦で先発登板したが、2019年のボルチモア・オリオールズ戦で勝利を収めたことがある。
日本メディアによると、日米で開幕投手を務めた日本人投手は大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)など含めて計7人。そのうり日米で勝利した投手は野茂英雄(日本1勝、アメリカ2勝)、黒田博樹(日本3勝、アメリカ1勝)に次いで田中が歴代3番目だった。
2014年から2020年までの7年間、ヤンキース所属でメジャー生活を送った田中だが、2021年の日本復帰後は名声ほどの活躍ができずにいた。昨季は25試合(163回)9勝12敗、防御率3.31で日米自己最多敗を喫した。投高打低のシーズンで、リーグ平均(3.16)より高い防御率を記録するなど苦戦した。
シーズン後には年俸も9億円から4億7500万円に削減され、2023年WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)では侍ジャパンの予備エントリーに入るも、最終30人からは脱落した。
それでも、切歯腐心しながら迎えた2023年シーズン開幕戦では勝利投手となり、復活に向けた第一歩を踏み出した。
(記事提供=OSEN)