大谷の契約はオプトアウトが含まれておらず、年俸の相当部分が遅れて支給されると知られている。
米メジャーリーグ最高のスタープレーヤーである大谷は、打者として通算716試合に出場し、打率0.274(2483打数681安打)、171本塁打、437打点、OPS 0.922、投手として通算86試合(481.2回)に登板し、38勝19敗、防御率3.01を記録した。
2018年にア・リーグ新人王に輝き、2021年にはア・リーグMVPを満場一致で受賞。2023年も打者として135試合で打率0.304(497打数151安打)、44本塁打、95打点、OPS 1.066、投手として23試合(132回)で10勝5敗、防御率3.14を記録し、2度目の満場一致MVP受賞に成功した。
メジャー史上、満場一致のMVPを2度も受賞したのは大谷が初めてだ。
大谷がメジャー最高の選手だということには異論がない。しかし、7億ドルという人々の想像を超える契約が成立したことで、「オーバーペイ」の議論は避けられなくなった。
大谷以前にメジャー最高額の契約を記録したマイク・トラウト(ロサンゼルス・エンゼルス)の12年4億2650万ドル契約の1.6倍に達する、まさに“歴史を書き換える”契約だからだ。
アメリカメディア『ジ・アスレチック』は「問題は大谷に7億ドルの価値があるかだ。2度目の肘の手術を受けてリハビリをしている選手に、ドジャースがこれほどの金額を投資したことは賢明なのだろうか」と指摘した。
ただ、同メディアは大谷が十分に7億ドルの価値を持つこともできると分析した。
「ほかに大谷より多くの金額を受け取ることができる選手がいるとは想像し難い」と評した『ジ・アスレチック』は、「彼は健康なときは投打兼業をする選手だ。そして、彼のマーケティング的な価値を考慮すれば、ドジャースはこの莫大な投資からある程度の収益を得るだろう」と説明した。
大谷はメジャーで最も人気のある選手だ。『ジ・アスレチック』は「『Sportico』によると、大谷は今年だけで4000万ドルの広告収益を上げた。大谷の次に広告収益が多い選手は、500万ドルの収益を上げたトラウトだ」とし、大谷のマーケティング的価値を強調した。
とあるメジャースカウトは「大谷は6~7年以内に契約規模だけの金を稼ぐ。彼は文字通り“お金を稼ぐ工場”だ。広告だけを見てもそうだろう。日本のすべての人が大谷を見守っている。彼らにとって、大谷はマイケル・ジョーダンのような存在であり、テイラー・スウィフトのような存在だ」と話した。
『ジ・アスレチック』は「単純に言えば、大谷を獲得するだけでも得られる収益のおかげで、この高価な契約のリスクは最小限に抑えられる。とあるスカウトは“8億ドルでも悩まず投資しただろう”と言う。彼は“もし大谷が5~6年ほど良い野球選手として活躍したとしても、自らそれだけの収益を上げただろう。あるいは契約規模に本当に近いお金を稼ぐだろう”と話した」とし、大谷の契約が決して高い契約ではないと説明した。
もちろん、反対の意見もある。別のスカウトは、このような超大型契約はポストシーズン進出とワールドシリーズ優勝確率によって価値が変わるとし、「残念ながら、このような大型契約は良いケースよりは悪く終わるケースが多かったようだ」と憂慮した。
大谷の契約が成功となるかどうかは、ドジャースが今後どのような成績を収めるかによって成否が決まる。
もしドジャースが大谷を保有する間に何度もワールドシリーズのトップに立つのであれば、大谷の契約は惜しくもなんともないだろう。
(記事提供=OSEN)