マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンゼルス)の12年4億2650万ドルの延長契約はもちろん、リオネル・メッシ(インテル・マイアミ)がかつてバルセロナと結んだ6億7400万ドル契約をも超えるプロスポーツ史上最大の契約だ。
オプトアウト条項はなく、年俸の相当額は遅れて支給され、ドジャースの負担を減らした。
日本プロ野球で“二刀流”として活躍し、スターに浮上した大谷は、2018年にエンゼルスと契約。同年のア・リーグ新人賞を受賞し、華やかなメジャー・デビューを果たした。その後、トミー・ジョン手術を受けて一時停滞していた大谷だが、2021年からポテンシャルを満開にし始めた。
大谷は2021年、打者として155試合に出場し打率0.257(537打数138安打)、46本塁打、100打点、OPS(出塁率+長打率)0.965、投手として23試合(130.1回)、9勝2敗、防御率3.18を記録し、満場一致でア・リーグMVPを受賞した。
昨年はア・リーグ本塁打新記録(62本塁打)を更新したアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)に押されMVP投票2位にとどまったが、今年は打者として135試合で打率0.304(497打数151安打)、44本塁打、95打点、OPS 1.066、投手として23試合(132回)で10勝5敗、防御率3.14を記録し、2度目の満場一致MVPを受賞した。満場一致MVPを2度も受賞したのは大谷がメジャー史上初だ。
大谷と天文学的な金額で契約したドジャースは、打線にMVPを受賞した打者を3人も保有することになった。大谷、ムッキー・ベッツ、フレディ・フリーマンがその主人公だ。
大谷は満場一致のMVPを2回も受賞しており、ベッツも2018年のア・リーグMVP、フリーマンも2020年のナ・リーグMVPを受賞している。
MVPをはじめオールスター選出7回、シルバースラッガー賞6回、ゴールドグラブ賞6回など華麗な受賞歴を誇るベッツは、今年も152試合で打率0.307(584打数179安打)、39本塁打、107打点、OPS 0.987とずば抜けた成績を収めた。
2020年1月にボストン・レッドソックスとのトレードでドジャースに加入したベッツは、移籍直後、ドジャースと12年3億6500万ドルの延長契約を結んだ。
フリーマンも、MVPのほかオールスター選出7回、シルバースラッガー賞3回、ゴールドグラブ賞1回など受賞経験が多く、今年は161試合で打率0.331(637打数211安打)、29本塁打、102打点、OPS 0.976と活躍した。アトランタ・ブレーブスのフランチャイズ・スターだったフリーマンは、2021年に球団のワールドシリーズ優勝をけん引。シーズン終了後にドジャースと6年1億6200万ドルで契約し、ドジャースのユニホームを着ることになった。
大谷、ベッツ、フリーマンの契約規模を合わせると、なんと合計12億2700万ドルとなる。メジャーでチームペイロールが最も低いタンパベイ・レイズ、オークランド・アスレチックス、ボルチモア・オリオールズなどの20年分のチームペイロールに近い金額だ。
ドジャースは直ちに来季のワールドシリーズで優勝できなければ、「失敗したシーズン」との烙印を押されても言うことがないほどの投資を見せた。
想像を絶する契約でメジャー史上最も強力なMVPトリオを構成したドジャースが来季どんな成績を収めるか、早くもファンの期待と関心が大きい。
(記事提供=OSEN)