リオネル・メッシの騒動に、なぜか韓国国民が反応している。
MLSのインテル・マイアミに所属するメッシが2月6日、都内で来日記者会見を開催した。この場でメッシは、7日に行われた昨季J1王者・ヴィッセル神戸戦への意気込みなどを語ったが、最も注目を集めたのは香港での一件だった。
先立って4日、インテル・マイアミと香港選抜チームの一戦では、メッシ、ルイス・スアレスの欠場が物議を醸した。
香港での試合は事前にメッシの出場が濃厚とされていたため、彼を一目見ようとサッカーファンがスタジアムに大挙した。しかし、お目当てのメッシが欠場したことでブーイングが起き、あまつさえは香港政府が異例の声明を発表するにまでいたった。
このような騒動を経て、都内での記者会見に臨んだメッシは、コンディションの問題でプレーできる状態ではなかったと説明し、失望した観客への謝罪コメントも残している。
36歳となり、かつてほどの影響力はなくなったとは言え、サッカー界の“現人神”とも称されるメッシの偉大さが改めて感じられた今回の出来事。そんななか、メッシの欠場騒動に無関係の韓国国民もなぜか反応している。
というのも、過去、メッシと双璧を成すスーパースターのクリスティアーノ・ロナウドが、韓国で類似の騒動を起こしたことがあるからだ。
ロナウドはユベントスに所属していた2019年7月、プレシーズンに組まれたKリーグオールスターとの親善試合で、突如出場を拒否したことがある。「最低でも45分以上の出場」という契約が交わされていたにもかかわらず、ロナウドは腕を組んでベンチに鎮座。それどころか、ファン向けサイン会への出席も断った。
当時、ロナウドの出場を期待して高額チケットを購入したファンは、スタジアムで「メッシ」を連呼し、ロナウドにブーイングを送った。ロナウドを見るために6万5000席が2時間で売り切れ、チケット収益だけでも60億ウォン(約6億円)に達したという。
にもかかわらずプレーしなかったロナウドに韓国ファンはブチギレ。結局、主催側に集団訴訟を提起する事態にまで発展したのだった。
ところが、ロナウドは騒動を意に介さず、イタリアに帰るやいなやランニングマシーンに乗る写真をSNSに投稿。自ら火に油を注ぎ、「コンディションが良くない」という言葉が嘘だったことをばらしてしまった。
この騒動でロナウドは、韓国国民共通の敵となったわけだ。そのため、今回のメッシの騒動にも多くの人が反応している。
韓国のネット上では「ファンとの約束は守らなければならない」「メッシで宣伝しておいて出さないのは、サッカーファンに対する詐欺ではないか」といった批判の声が上がっている一方、「それでもメッシは謝罪した。でもロナウドとかいう“ろくでなし”は謝りさえもしていない」など、メッシを引き合いに出して4年半が経った今も消えない憎しみを吐露する人もいる。
メッシの偉大さに加え、韓国人の執念深さも確認できる出来事となったようだ。
(文=サーチコリア編集部K)
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