世界一の“詐欺大国”と評された韓国は汚名を返上することができたのか

2017年01月08日 社会
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というのも、韓国検察庁の統計資料「2016犯罪分析」を見ると、詐欺犯罪の件数は2006年20万3346件、2009年22万4889件、2012年23万9720件、そして2015年25万7620件と、右肩上がりに増加してしまっているからだ。

25万7620件という数字は、一日に706件の詐欺が発生していることを意味する。日本と比べるとさらにわかりやすく、人口を揃えて考えると10倍以上の頻度となるらしい。

最近、特に深刻なのは冒頭の男も該当する“保険金詐欺”だ。

虚偽の入院をはじめ、事故を故意に起す、持病を隠して保険に加入する、事故と関係のない車両破損を保険で修理するなど、その手口はさまざま。保険金詐欺は、大部分の善良な保険加入者に被害をもたらす深刻な社会犯罪といわれているが、韓国ではその被害額が増加している。

金融監督院が発表した資料によると、2015年に保険詐欺で摘発された金額は、過去最高となる6549億ウォン(約655億円)。前年より9.2%も増加している。最も多かった詐欺の類型は、入院や障害、交通事故の内容を欺く「虚偽事故」で、75.8%と大半を占めていた。

韓国政府も対策をとっていないわけではない。昨年9月30日からは、「保険詐欺防止特別法」が施行されている。

以前まで保険詐欺は、一般的な詐欺と同じく「10年以下の懲役または2000万ウォン(約200万円)以下の罰金」に処せられていた。それが「保険詐欺防止特別法」によって、「10年以下の懲役または5000万ウォン(約500万円)以下の罰金」に。さらに、保険詐欺で得た利益が5億ウォン(約5000万円)以上の場合、加重処罰もされるという。

そんな「保険詐欺防止特別法」が施行されてから数カ月で、実際に件数は減っているそうだが、どうしても思い出してしまうものがある。2004年に施行された「性売買特別法」だ。同法によって、韓国の性産業の売り上げは大きく減少したが、性売買の舞台が国内から海外へと移るなど、新たな問題が生まれているとの指摘が絶えない。

また、詐欺だけでなく詐称も少なくない。

「超学歴社会」などと揶揄されることもある韓国では、特に学歴詐称が多い。数年前には、有名英語教師、建築家、大学教授など、数多くの著名人や芸能人が詐称疑惑にさらされた。つい最近も、“天才少女”騒動が起こっている。

いずれにせよ、2013年に着せられた“詐欺大国”の汚名は、今現在も返上できたとは言い難い。韓国が一日も早く解決すべき課題だ。

(文=慎 武宏)

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