韓国の宗教・市民団体が「世界死刑廃止デー」に合わせて、死刑制度の完全な廃止を求めた。
国際アムネスティ韓国支部、民主社会のための弁護士の会、参与連帯など14の団体が集まった「死刑制度廃止、宗教・人権・市民団体連席会議」は、声明を通じて「死刑は犯罪の予防や被害者保護に何ら実質的な役割を果たしていない。韓国もこれ以上遅れることなく、死刑制度を完全に廃止して、生命尊重の価値を実現する人権国家に進化すべきだ」と訴えた。
彼らは、既存の研究を通じて死刑制度が犯罪抑止効果を持たないことが証明されていると主張し、「死刑制度の存続は犯罪予防にまったく貢献せず、むしろ暴力の悪循環を助長する結果を招くだけだ」と強調した。
さらに「死刑はむしろ人間の尊厳と人権を侵害する制度であることを明確に宣言する」とし、「第22代国会は、死刑制度廃止特別法が提出される最後の国会でなければならない」と付け加えた。
韓国では法律上、死刑制度が存在してはいるが、1997年12月以降、実際に執行された例がなく、いわゆる「事実上の死刑廃止国」に分類されている。
死刑制度が存続しているが、実際に執行されない状態が20年以上続いている状況だ。
したがって死刑制度の存廃論争も現在進行形といえる。
憲法裁判所は死刑制度に対する3回目の憲法訴願審理を行っているが、2022年7月の公開弁論以降も、数年間結論が出されていない。
この件に関連して9月に退任したイ・ウネ前憲法裁判官は、退任式で「死刑制度を解決できずに去ることになり、申し訳ない」という言葉を残した。
(記事提供=時事ジャーナル)
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