“日本企業”に強制動員された韓国被害者の遺族、損害賠償訴訟で勝訴「慰謝料と遅延損害金を支払え」

2024年11月09日 社会 #歴史問題
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韓国の強制動員被害者の遺族が日本の「戦犯企業」を相手にした裁判で勝訴した。

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光州(クァンジュ)地方裁判所・13民事部(チョン・ヨンホ部長判事)は11月7日、強制動員被害者の遺族19人が三菱グループ系列社である三菱マテリアルを相手に提起した損害賠償訴訟で、原告の一部勝訴の判決を下した。

訴訟を提起してから5年7カ月越しでの勝訴だった。

裁判所は「三菱は原告19人のうち、14人に慰謝料と遅延損害金を支払え」と命じた。ただ、残りの原告5人については請求を棄却した。

原告である遺族たちは、日本の植民地時代に強制動員された被害者たちの子や孫たちだ。

被害者たちは1941年から1944年まで、全羅地域から日本の軍などによって強制動員され、三菱マテリアルの前身である三菱鉱業が持つ炭鉱で働かされた。

被害者のうち3人は日本で死亡しており、終戦後に故郷へと帰ってきた被害者の一部は、炭鉱労働による疾病でこの世を去った。現在、被害者たちは全員が亡くなっている。

裁判
(写真=Pexels)

三菱鉱業は当時、日本国内に27の事業所、朝鮮半島全域に37カ所の炭鉱および軍需工場を運営していた。ユネスコの産業革命遺産として登録された軍艦島の端島炭鉱や、世界遺産となった佐渡鉱山も、三菱鉱業の代表的な事業所だ。

今年8月にも三菱鉱業に強制動員された6人が光州地裁で行われた1審で勝訴し、それぞれ1億ウォン(約1100万円)の慰謝料が認められた。

韓国の「日帝強制動員市民会」によると、三菱は約10万人の朝鮮人を強制動員したという。また、同団体の「日帝強制動員被害現況」では計780万人が強制動員されているため、同様の裁判が今後も続く見通しだ。

なお韓国政府は2023年3月、日本企業が支払うべき賠償金を財団が募金した資金で代わりに支払う「第三者弁済」方式を解決策として発表。財団の資金は、1965年の日韓請求権協定によって恩恵を受けた企業の一つであるポスコが寄付した40億ウォン(約4億4000万円)などを基にしている。

2018年に最高裁判所判決で勝訴した生存している被害者の全員(3人)が「第三者弁済」方式での賠償金と遅延利息を受け取った。

(文=サーチコリアニュース編集部O)

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