飲食店に大量の注文をして、当日に来ない“無断キャンセル”が韓国で相次いでいる。しかも同じ名前を名乗る人物の仕業だという。
11月28日、忠清北道・忠州(チュンジュ)市は、管内の飲食店4650軒に無断キャンセル被害に対する注意を促すメッセージを送った。
忠州市はメッセージを通じて「最近、自らを軍人だと偽り、約50人分の料理を大量注文した後、姿を現さない無断キャンセル犯罪が相次いでいる」とし、「警察署などを通じて被害事例の報告が続いているため、営業主の皆さんは十分に注意してほしい」と呼びかけた。
このメッセージは、忠州警察署の要請で送られたものだ。ここ1カ月で管内の飲食店で無断キャンセル被害が発生し、捜査に当たっているという。
興味深いのは、悪質な注文を飲食店にしている人物が自身を「キム・ドンヒョン中士」と名乗っていることだ。
地域部隊に所属しているという彼は、忠州市のとある飲食店に近隣の部隊に災害支援に行く話し、クッパ50杯を用意してほしいと要求して領収書まで求めたとされる。
このように忠州市で「キム中士」による被害を受けた飲食店は、スンデクッパ店、キンパプ店、ソルロンタン店など計6軒に上る。名前は同じだが、電話をかけてきた携帯電話番号もそれぞれ異なっていた。「キム中士」を装った男性によって、各飲食店はおよそ40万~50万ウォン(約4万4000円~5万5000円)の被害を受けたことも判明している。
さらに「キム・ドンヒョン中士」による被害は、忠州市だけでなく全国各地に広がっているという。
ソウル市内のカフェでは11月15日、「キム中士」を名乗る男からパン100個と飲み物50杯を包装してほしいという注文の電話があり、その後、無断キャンセルの被害を受けた。
その2日前には、仁川(インチョン)の飲食店にも「キム中士」から「豚焼肉定食50人分を14日14時までに準備してほしい」と依頼があったが、やはり現れなかった。
同日、江華(カンファ)郡の中国料理店やヘジャングク店など6軒でも、50人分を注文する「キム中士」の犯行があったという。
迷惑極まりない「キム・ドンヒョン中士」を名乗る男の犯行に、韓国のオンライン上では「一体なぜこんなことをするのか」「先払い制にしなければ、同様の犯罪はなくならないと思う」「捕まえて動機を聞くべきだ」「なぜこんなに騙される人が多いのか」といった声が上がった。
一部からは「キム・ドンヒョン」という名前が、共に民主党イ・ジェミョン代表の偽証教唆容疑の裁判で、無罪を言い渡した判事と同じ名前ということから「あの判事と同じ名前だ」「政治家は悪いことをやっても許されるという皮肉か?」といった意見もあった。
現在、忠州警察署はこの事件に対する捜査を進めているが、被害が全国に広がっているだけに、早期解決が求められている。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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