チェジュ航空の事故機が務安(ムアン)国際空港から「バードストライク」に注意するよう警告を受けた直後に救難信号を発し、その5分後に地上で衝突し惨事に至ったことが確認された。
消防当局は、搭乗者181人のうち、救助され治療を受けている乗員2人を除く179人全員が死亡したと推定している。
韓国の国土交通部は12月29日、政府世宗(セジョン)庁舎で行ったチェジュ航空7C2216便の事故に関するブリーフィングで、午前8時57分頃、務安国際空港の管制塔が事故機に鳥との衝突を警告し、1分後の8時58分に事故機の機長がメーデー信号を送ったと明らかにした。
その後、事故機は本来着陸する予定であった方向(01滑走路)とは逆の方向にある19滑走路に着陸を試みたが、午前9時3分頃、ランディングギアを下ろさないまま19滑走路で着陸を試みた際に外壁に衝突した。
国土交通部は事故の経緯について「01番滑走路への着陸を試みていた際、管制塔から鳥との衝突に注意するよう警告を受け、その直後に操縦士がメーデー信号を発した」と説明。「管制塔が逆方向の滑走路への着陸を許可し、操縦士がこれを受け入れ、再度着陸を試みる過程で滑走路を越え、外壁に衝突したことが確認された」と述べた。
事故機を操縦していた2人のパイロットのうち、機長は6823時間、副操縦士は1650時間の飛行経験を持ち、それぞれ2019年3月と2023年2月から現職に就いていた。
国土交通部によると、航空鉄道事故調査委員会は事故機の2つのブラックボックスのうち、飛行記録装置の回収を完了しており、残る音声記録装置についても現場の状況に応じて追加回収を試みているという。
死傷者が多い理由について、国土交通部は「胴体着陸後に火災が発生し、すぐに出動したが被害が拡大した」と説明し、「原因については調査中」とした。
一部で指摘された「滑走路が短いことが事故原因ではないか」という疑問に対し、国土交通部は「務安空港の滑走路は2800メートルで、滑走路の長さが不十分で事故が起きたとは考えにくい」と反論した。
務安空港の滑走路は、仁川(インチョン)空港(3750~4000メートル)や金浦(キムポ)空港(3200~3600メートル)より短いが、他の国際空港である清州(チョンジュ)空港(2744メートル)や大邱(テグ)空港(2755メートル)よりは長い。
全羅南道消防本部によると、事故の生存者である20代の乗員2人のうち1人は、救助直後に「鳥との衝突が原因と推定される。片方のエンジンから煙が出た後に爆発した」と救助隊に説明したとされる。
この乗員は、木浦(モクポ)地域の病院に搬送されて治療を受けており、命に別条はないという。
消防当局は15時18分時点で死亡者124人を収容し、現場で追加の死傷者を確認中だ。
警察庁は科学捜査要員169人を事故現場に急派し、被害者の身元確認を支援している。警察庁は「本庁科学捜査審議官を団長とする支援団が現場検証、身元確認、被害者保護、遺族への心理相談などを支援し、関係機関と協力体制を維持する予定」と述べた。
また、全羅南道警察庁は、捜査部長を団長とする捜査本部を構成する方針だ。
(記事提供=時事ジャーナル)
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