韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領が、2022年10月に発生した梨泰院(イテウォン)雑踏事故の遺族に対し、真相究明のために検察と警察による合同調査団を編成すると明言した。
大統領室のカン・ユジョン報道官が7月17日に明らかにしたところによると、李大統領は前日、セウォル号、梨泰院事故、務安(ムアン)旅客機事故、五松(オソン)地下道事故の遺族と面会。その場で「梨泰院事故は、さまざまな事情により事件の実態が十分に明らかになっていない」と語り、「特別調査委員会には捜査権がなく、それが遺族のもどかしさにつながっている。必要であれば“強制調査権”も持たせるべきだ」との考えを示した。
カン報道官は、「合同調査団の設置については大統領府民情首席室が検討に入った」と述べ、今後、具体的な実施案が示される見通しを伝えた。
また、李大統領は今年10月に行われる梨泰院事故3周忌の追悼行事に、日本人2名を含む外国人犠牲者の遺族も招待できるよう関係省庁に指示したという。
事故は2022年10月29日夜、ハロウィンを控えたソウル・梨泰院のハミルトンホテル付近で発生。群衆が密集したことで多数の死傷者が出た。死者は159人にのぼり、その中には日本人含む外国人も多数含まれていた。
このほか李大統領は、五松地下道事故の遺族が求めた国政調査について「公共の場で議論する価値はある」としつつも、「野党の反対があり、実現は容易でない」と述べた。また、セウォル号事故の遺族に対しては長期的な心理ケア支援を検討する意向を表明。加えて、社会的惨事の遺族が受ける“二次加害”に対応するため、警察庁に常設の専従捜査チーム設置を指示した。
務安旅客機事故の遺族に対しては、「新政府は国民の命を守るため、全省庁と公務員が再発防止に全力を尽くしている」と述べ、「この事件は政治的に歪められるべきではない。まずは調査結果を見守ろう」と語った。
(記事提供=時事ジャーナル)
■【画像】「残酷で胸が痛い。日本人を嫌いになりそう」元AV女優
前へ
次へ