まさにKファッションのルネサンスだ。ソウルの聖水洞(ソンスドン)や漢南洞(ハンナムドン)は外国人観光客にとって必須のショッピングコースとなり、オンラインではMUSINSA(ムシンサ)やABLY(エイブリー)といったファッションプラットフォームが国境を越えて疾走している。今やKファッションは狭い内需市場を抜け出し、グローバル産業へと跳躍する名実ともに転換点を迎えたのである。
【写真】“見せパン”に全身シースルー…過激さ増す韓国スターのファッション
実際のデータは、この現象が単なるブームにとどまらず、構造的な変化であることを証明している。
関税庁の統計によると、2025年のオンラインファッション海外直接販売(逆直購=海外の消費者がオンラインストアで韓国商品を購入すること)の輸出額は前年比26%以上急増し、過去最高を更新した。
特に日本市場は全体の約36%を占め、Kファッション最大の消費国として浮上した。
これは、かつて東大門(オンデムン)卸市場を通じて「ポッタリ商(行商)」の形で細々と輸出されていた方式から脱却し、ブランド価値とデジタルプラットフォームを通じて海外消費者に直接到達する「質的成長」を遂げたことを示唆している。
しかし、この華やかな成長曲線の裏側には、韓国が向き合わなければならないまったく異なる次元の試金石が待ち受けている。現在、グローバルファッション産業ではゲームのルールそのものが根本的に変わりつつあるからだ。
デザインの独創性や合理的な価格が過去の競争力だったとすれば、今後の市場参入条件は「透明性(Transparency)」と「追跡可能性(Traceability)」へと再編されている。
そして、その変化の台風の中心にあるのが、欧州連合(EU)が強力に推進している「デジタル製品パスポート(DPP、Digital Product Passport)」である。
EUはファストファッションを環境汚染の元凶と規定し、持続可能な製品のためのエコデザイン規則(ESPR)を通じて産業全体の大転換を求めている。
この規則の核心であるDPPは、衣服1着のライフサイクル情報をデジタル化し、パスポートのように製品に付与する制度だ。原料の採取から染色、縫製、流通、廃棄およびリサイクル可能性に至るまでの膨大なデータが、1つのQRコードにすべて盛り込まれなければならない。
2027年頃にこの制度が本格施行されれば、当該データを証明できない製品は、先進国市場での販売が原則として封鎖される可能性がある。
「当面のKファッション主力市場は日本や東南アジアなのに、そこまで厳しい欧州の規制を心配する必要があるのか」と反問する向きもあるだろう。しかし、それは「ブリュッセル効果」を見落とした見方だ。EUが設定した規制は、やがて「グローバル標準」として拡散する傾向があるからだ。
ナイキなどのグローバル企業がEU基準に合わせてサプライチェーンを再編すれば、彼らと競争、あるいは協業しなければならない日本やアジア市場も、結局はその標準に従わざるを得なくなる。
つまり、欧州発の透明性要求は時間の問題にすぎず、やがてKファッションが活動するすべての舞台の「基本値」になるということだ。
問題は、韓国ファッション産業の二重的な構造にある。
韓国のファッション産業では、流通やブランディングといったフロントエンド(Front-end)が世界最高水準のデジタル能力を備えている一方、それを支えるバックエンド(Back-end)の製造産業はいまだアナログ方式にとどまっている。Kファッションの腰を担う数多くの中小ブランドは、生地調達から縫製まで零細な下請け工場に依存しており、その過程で取引明細書は手書きで行き交い、データは失われがちだ。
サプライチェーンが複雑で、データ管理が断片化された現在の構造では、グローバル水準の追跡可能性を確保することは不可能である。スペインのMANGO、スウェーデンのH&Mといったグローバル企業が、すでにカーボンフットプリントを精密に測定し、データを標準化しているのとは対照的だ。
競争国の中国は独自のデジタルパスポートシステムを試験運用中で、ベトナムやバングラデシュも政府主導で透明性確保に総力を挙げている。Kファッションが「デザインは良いけど、信頼できない製品」として烙印を押され、グローバルサプライチェーンから排除されかねないという危機感が高まる理由である。
したがって、Kファッションが現在の「一過性の人気」を超え、持続可能なグローバル産業として定着するためには、産業全体の体質改善が急務だ。そのために、3つの次元での戦略的アプローチを提言したい。
第一に、官民が協力して「実効性のあるサプライチェーン・データ連動インフラ」を構築する必要がある。
現在、繊維産業連合会のファッションネットなど既存のプラットフォームがトレンド情報の提供に寄与しているが、DPP対応のためには製造現場のデータをデジタル化するシステムが追加で必要だ。
フランスが「リファッション(Refashion)」を通じて繊維廃棄物データを国家レベルで管理しているように、政府と関連団体も零細な縫製工場からブランドまで、容易にデータを入力・送信できる「韓国型標準DPPプラットフォーム」を整備すべきである。これは個別企業のコスト負担を軽減し、国家レベルでのデータ主権を確保する道でもある。
第二に、持続可能性を「コスト」ではなく、新たな「ビジネス機会」として捉える発想の転換が必要だ。
DPP導入を単なる規制順守の次元で捉えてはならない。ブロックチェーン技術などで裏付けられた製品の透明性は、「グリーンウォッシング」論争を鎮め、ブランド信頼度を飛躍的に高めるマーケティング資産となる。
また、修繕の容易性や正規品認証機能を含むDPPは、近年急成長しているリセール(Resale、中古取引)市場において強力な武器となり得る。
製品のライフサイクルデータを管理することで、ブランドは一次販売後も、二次・三次流通市場においてブランド価値を統制・管理できる新たな収益モデルを創出できる。
第三に、プラットフォーム企業の役割拡大である。
MUSINSAやABLY、Zigzagなど、Kファッションの成長を牽引してきたプラットフォーム企業は、膨大な消費者データだけでなく、入店ブランドの生産データまで統合管理できる能力を備えている。
これらのプラットフォームが先導的に、入店ブランドにサプライチェーン透明性のガイドラインを提示し、これを順守するブランドにインセンティブを与えるなど、エコシステム全体のデジタル転換を主導する「アンカー(Anchor)」の役割を果たすべきだ。
現在、Kファッションは重要な分岐点に立っている。オンライン逆直輸出の爆発的な成長は確かに心強いが、迫り来るデータ規制の波を乗り越えられなければ、その成果は砂上の楼閣に終わりかねない。
過去の工業化時代のファッションが「いかに速く、安く、美しく作るか」を問い続けたとすれば、デジタル時代のファッションは「いかに透明に作り、その過程に責任を持てるか」を証明しなければならない。
いまやKファッションのグローバル競争力は、独創的なスタイルを超え、グローバル標準に適合する透明なデータ管理システムをどれだけ迅速かつ精緻に構築できるかにかかっている。
政府の政策的支援、企業の技術的投資、そして産業界全体の意識転換がかみ合ったとき、Kファッションは真の意味で「持続可能な」成長を成し遂げることができるだろう。
●漢陽大学、キム・ハビン研究員(ファッションマーケティング博士)
(記事提供=時事ジャーナル)
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