死刑求刑の可能性も本人は笑み 韓国の非常戒厳めぐる尹前大統領の公判、求刑は日付またぎ翌日未明か

2026年01月09日 政治 #時事ジャーナル
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非常戒厳騒動をめぐる尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の内乱首謀容疑の事件と、キム・ヨンヒョン前国防部長官ら内乱関係者8人の内乱重要任務従事容疑事件の論告求刑公判が進行している。公判は現在も続いており、途中には被告側の弁護団が内乱特別検察チーム(チョ・ウンソク特別検察)および裁判長側と衝突する場面もあった。

【解説】尹大統領に「死刑求刑」の可能性…その根拠は?

1月9日午前9時20頃、ソウル中央地裁・刑事合議25部(チ・グィヨン部長判事)は417号刑事大法廷で、尹前大統領の内乱首謀容疑、キム前長官を含む軍警首脳部7人の内乱重要任務従事容疑事件について、結審公判を開いた。

公判には、尹前大統領、キム前長官、ノ・サンウォン前国軍情報司令官、チョ・ジホ前警察庁長、キム・ボンシク前ソウル警察庁長など、主要な被告8人が全員出廷した。

内乱特検側からは、パク・オクス特検補をはじめ8人が法廷に出席した。

尹前大統領は、黒のスーツ姿で茶色の書類封筒を手に持ち法廷に入った。ともに起訴されたキム前長官は紺色のタートルネック姿、チョ前庁長はマスクを着用したまま審理に臨んだ。

笑みを浮かべた尹前大統領

午前の審理では、内乱特検チームとキム前長官側による書類証拠(書証)の調査が続いたが、キム前長官側が300ページを超える書類を準備したため、書証調査のみが行われた。

キム前長官側のイ・ハサン弁護士は「戒厳宣布の条件である国家的危機状況かどうかは、国民から直接選ばれた大統領が判断するものだ」とし、「検察(特検)にはそのような権限はない」と主張。「検察(特検)が、当時野党だったとある政党(共に民主党)の考えを持って大統領を攻撃している」と述べた。

キム前長官側は、特検と証拠調査の進行手続きをめぐって一度言い争いになる場面もあった。キム前長官側が「資料のコピーが足りないので、まず裁判所に提出する」と言うと、特検側は「資料を確認する必要があるため、(資料が)準備できている被告から先に進めた方がよい」と発言順の変更を求めた。

これにキム前長官側が「口頭弁論で進める」と反論すると、特検チームは「いったい何を準備してきたのか」と応酬。このやり取りを見ていたチ・グィヨン部長判事は、「裁判も終盤に差しかかっているのに、なぜこのようなことになるのか」とし、「プロとアマチュアの違いはぐずぐず言わないことだ」と指摘した。

チ部長判事の発言にキム前長官側が「我々がぐずぐず言ったのか」と声を荒らげると、チ部長判事は「その発言自体が、ぐずぐず言っているということだ」と再度指摘。「準備ができていないのであれば、丁重に了解を求めるべきだ」と伝え、場を収拾した。

キム前長官側の書証調査が進む間、尹前大統領はおおむね目を閉じており、時折、隣の席に座ったユン・ガプグン弁護士と会話を交わしたり、笑みを浮かべたりする様子が見られた。

尹錫悦
尹錫悦前大統領(写真は2025年12月26日/写真提供=ソウル中央地裁)

求刑は翌日未明か

裁判は午前の審理を終えて休廷した後、午後2時に再開した。午後の審理でも、キム前長官側の残りの書証調査が続いた。

ノ前司令官、チョ前庁長、キム・ヨングン前第3野戦軍司令部憲兵隊長、ユン・スンヨン前国家捜査本部捜査企画調整官の各弁護人は、書証調査の所要時間を約1時間と見積もった。キム前庁長とモク・ヒョンテ前国会警備隊長は、書証調査の想定時間について特段の立場を示さなかった。

最後に書証調査を行う予定の尹前大統領側は、所要時間を6~8時間と見込んでいる。このため、特検チームによる求刑意見陳述は、日付をまたいだ深夜1時ごろに始まるとの見通しが出ている。

特検チームの求刑意見陳述は2~3時間ほどかかるとみられており、被告8人が最終陳述を行うのは翌10日の未明になる予定だ。韓国の刑事訴訟法上、内乱首謀容疑の場合、死刑、無期懲役、無期禁錮の3つの中から刑量を定めることができる。

(記事提供=時事ジャーナル)

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