「死刑求刑」の可能性も。韓国で尹前大統領の内乱首謀裁判大詰め 本人は最後まで反省なく責任転嫁

2026年01月09日 政治 #時事ジャーナル
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2024年12月3日に発生した非常戒厳騒動を尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の「内乱首謀」容疑の裁判が、本日(1月9日)大詰めを迎える。

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この日は、チョ・ウンソク内乱特別検察チーム(特検)による尹前大統領への求刑も示される予定だ。法曹界では、特検が尹前大統領に無期懲役を求刑する可能性が高いとの見方が強い。

一方で、非常戒厳が持つ政治的・歴史的な意味合いや、尹前大統領がこの1年間の裁判過程でまったく反省の姿勢を見せていない点などを考慮すれば、死刑を求刑する可能性もあるとの声も一部で出ている。

1月8日、法曹界によると、ソウル中央地裁・刑事合議25部(チ・ギヨン部長判事)は、9日午前10時から尹前大統領の内乱首謀容疑事件の結審公判を行う。

この日の裁判では、特検の最終意見および求刑、弁護側の最終弁論、被告人である尹前大統領の最終陳述が行われる。

特検は結審公判を前に、8日午後、チョ・ウンソク特検と特検補をはじめとする主要幹部を招集し、求刑量を決める会議を行った。刑事訴訟法上、内乱首謀容疑の場合、死刑、無期懲役、無期禁錮の3つの中から刑量を定めることができる。

法曹界では、尹前大統領が権力を独占・維持しようとして、当時多数議席を占めていた「共に民主党」を“反国家勢力”と規定し、国会に軍と警察を投入して国会議員の逮捕を指示し、不正選挙疑惑を確認するために選挙管理委員会に侵入するなど、罪質が極めて重い点を踏まえ、「無期禁錮」ではなく「無期懲役」が言い渡されるとの見通しが優勢だ。

「死刑」は国家が生命を剥奪する極めて例外的な刑罰である点からも、無期懲役の可能性がより重視されている。

ただし、尹前大統領に対して依然として死刑を求刑する可能性も排除できない。

実際、1996年の12・12軍事クーデターおよび5・18光州民主化運動に関連し、内乱首魁(現行法では内乱首謀)および内乱目的殺人などの容疑で起訴された全斗煥(チョン・ドゥファン)前大統領に対して、死刑が求刑された前例がある。1審では検察の求刑どおり死刑が言い渡されたが、2審で無期懲役に減刑され、大法院で確定した。

ユン・ソンニョル
1月5日の公判に出廷した尹錫悦前大統領(写真提供=ソウル中央地裁)

尹前大統領は最終陳述でも、謝罪や反省ではなく、自身が戒厳を宣言せざるを得なかった背景を説明することに注力するとみられている。

非常戒厳の宣言は大統領に与えられた固有の権限であり、「共に民主党」の立法独走を防ぐための不可避な措置だったという主張だ。これと併せて、尹前大統領の弁護団は戒厳が2時間で終了した点を挙げ、刑法上の内乱に準ずる暴動や国憲紊乱には当たらないことを裁判部に強調する方針だ。

一方、尹前大統領は今月5日の裁判では、戒厳宣言当時、国務会議で自分を積極的に引き止める国務委員がいなかったこと、そうした発言を期待していたと述べ、戒厳の実行を国務委員の責任に転嫁するかのような趣旨の証言を行った。

内乱重要任務従事容疑でともに裁判を受けているキム・ヨンヒョン前国防部長官の証人尋問に出廷した尹前大統領は、「“与小野大”の状況が深刻で、野党があれほど勢いづいているのに、この戒厳が長く続くと思えただろうか。常識的にそう考えるのが普通ではないか」と述べ、以下のように続けた。

「首相(ハン・ドクス前国務総理)や国務委員たちが、最低限の政治的感覚を備えた人たちだったなら、外交がどうだ、民生がどうだと言うのではなく、『大統領、戒厳を宣言しても、1日か2日であの人たち(共に民主党)が押し寄せて戒厳解除になるでしょう。そうなれば大統領だけが恥をかくことになり、むしろ野党(共に民主党)に逆攻撃されかねません』と、そういう話をするのを実は私も期待していたし、そう言える状況だったのに、そういうことを言う人が一人もいなかった」

さらに尹前大統領は、キム前長官に対し、「証人は私と官邸でそういう話をしなかったか。首相や長官たちがそういう話を持ち出さないのを見て、少しもどかしく感じなかったか」と問い返した。これに対しキム前長官は肯定し、「誰もそういう話をしなかった」と述べた。

両者の証言を総合すると、国務会議に政治的感覚を備えた国務委員がいたならば、非常戒厳の宣言は行われなかったかもしれない、という趣旨になる。

しかし、尹前大統領は戒厳直前に開かれた国務会議で、戒厳を宣言するという事実以外に、具体的な実行計画などは一切共有していなかったと伝えられている。

当時の国務会議は、わずか5分で終了していた。

(記事提供=時事ジャーナル)

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