1月13日午後、李在明(イ・ジェミョン)大統領が奈良県を訪問し、高市早苗首相と2回目の日韓首脳会談を行った。昨年10月に慶州(キョンジュ)で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議を機に実現した第1回首脳会談から、約2カ月半ぶりに両国首脳が顔を合わせたことになる。
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この日の首脳会談に先立ち、高市首相は1日早く奈良に到着し、安倍晋三元首相の慰霊碑に献花したうえで、自身のSNSに「日本の舵取りという重責を担う者としての決意を新たにした」と書き込んだ。李大統領が奈良に到着した当日には、高市首相が大統領夫妻が宿泊するホテル前まで出向き、予定になかった「サプライズ出迎え」を行うなど、日本式の「おもてなし」を披露した。
李大統領は1泊2日の訪日を通じて高市首相と信頼関係を構築し、経済安全保障、科学技術、人工知能、供給網の確保、国際規範の確立など、さまざまな分野で両国が包括的な協力を推進していくことを約束した。また、韓国と日本が共通して直面している少子化や高齢化などの社会問題への共同対応についても議論し、越境犯罪に対する日韓協力を強調した。
両首脳の少人数による単独会談では、両国間の懸案に関連して高市首相が先に、朝鮮人労働者が犠牲となった長生炭鉱水没事故の遺骨身元確認問題を提起した。これを受け、両国首脳は遺骨の身元確認のためDNA鑑定を共同で推進することに合意した。
あわせて今回の会談で、李大統領は日本が主導する多国間自由貿易協定である環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)への加盟意思を改めて確認した。韓国はCPTPP加盟国のうち、日本とメキシコを除く残り10カ国と自由貿易協定(FTA)を締結しており、CPTPPに加盟すればメキシコおよび日本市場で利益を得られると分析されている。
高市首相は、経済安全保障や文化交流など日韓両国が協力可能な分野に焦点を当て、友好的な雰囲気の中で首脳会談を終えて東京へ戻った。
そして1月14日午後、自民党の鈴木俊一幹事長と、連立与党である日本維新の会の吉村洋文代表に対し、今月23日に召集される通常国会で衆議院を解散し、自民・維新連立について国民の信任を問う考えを伝えた。
これは、高市内閣の支持率が連日高水準を維持している状況の中で、衆議院の過半数(465議席中233議席)を獲得し、与野党逆転の状況を克服して政権基盤を強化しようという思惑と解釈されている。具体的な日程としては、1月23日に衆議院解散、27日に衆議院選挙公示、2月8日に投票・開票が有力案として検討されている。
『時事通信』は、衆議院解散から投票・開票までが17日以内で終わるのは、戦後日本政治史上初となる「超短期日程」だと評価した。李大統領の訪日に続き、イタリアのジョルジャ・メローニ首相が1月15日から17日まで日本を訪問するなど、主要な外交日程が続く状況を考慮し、高市首相は19日に記者会見を開き、衆議院解散を公式に発表する方針だという。高市首相の衆議院解散の決断は、自民党の木原稔官房長官、今井尚哉内閣官房参与など首相最側近との協議を通じて極秘裏に決定されたもので、鈴木幹事長や麻生太郎副総裁とも事前に十分な協議は行われていなかったと伝えられている。
1月14日の高市・鈴木・吉村会談後、自民党の鈴木幹事長と日本維新の会の吉村代表は、記者団の質問に次のように答えた。まず鈴木幹事長は、「責任ある積極財政」と安全保障関連3文書(国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画)の改定など、高市政権が日本維新の会との連立を通じて新たに推進している主要政策について、国民の審判を受けることが重要だとし、今回の選挙で「少なくとも過半を確保しなければならない」と主張した。
吉村代表は、衆議院解散と選挙を通じて自民・維新連立について国民の信任を得ることができれば、「経済政策を進めていくスピードはさらに速くなるだろう」と述べた。大阪のように自民党と日本維新の会が競合する選挙区については、「一緒に戦う」とし、自民党との候補者調整なしに、競争と協力を同時に追求する新しい形の連立を進める意向を示した。
突然の衆議院解散の知らせに、野党側は一斉に反発した。
まず国民民主党の玉木雄一郎代表は、「経済は後回しの解散だ」として「残念だ。政局よりも政策を最優先してほしい」と指摘した。共産党の小池書記局長は「解散権をもてあそぶ態度は許せない」と非難し、野田朋子委員長も「高い支持率に依存して多数議席を取ればいいという身勝手な解散だ」と痛烈に批判した。
立憲民主党の安住淳幹事長は、高市首相が表向きは物価高対策を強調しながら、予算案審議を止めてまで選挙を実施することは理解できないとし、野党各勢力と協力して選挙戦に臨みたいとの考えを示した。日本の各種メディアも、物価高対策を強調していた高市首相が、予算案の議決前に国会解散を決断したことを冷ややかに評価している。
安住幹事長が野党間協力に言及したように、野党連合に向けた動きも出ている。
立憲民主党の野田佳彦代表と公明党の斉藤鉄夫代表は、1月15日午後に党首会談を開き、比例代表選挙名簿の統一案および選挙公約の共同作成、新党結成について議論したと伝えられている。公明党は1991年から約26年間にわたり自民党と連立を維持してきたが、2025年10月の高市政権発足とともに自民党と決別した。立憲・公明連合の可能性について、国民民主党の玉木代表は、野党の統一名簿作成について「互いに異なる主張をする政党が、選挙のときだけ名簿を統一することを国民が納得するだろうか」と疑問を示した。
異例の1月の衆議院解散をめぐり政局が混乱する中で、高市首相が内閣支持率の高騰を追い風に、安定した政権基盤を築くことができるのか、その行方に注目が集まっている。
(記事提供=時事ジャーナル)
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