昨年8月に球団売却の意思を明らかにしていたモレノ氏は、それから5カ月後の今年1月24日(日本時間)に売却意思の撤回を発表した。球団を売却せず、自ら所有してオーナーの役割を続けるということだ。
モレノ氏は2003年、ウォルト・ディズニー・カンパニー所有だったエンゼルスを1億8000万ドルで買収した。それから約20年が過ぎた今、球団価値は25億ドルにまで急騰。約13倍の差益を上げることができた。
実際、売却意思発表後には5つのグループがエンゼルスと交渉を行ったが、最終的な決定には至らなかった。そのなかには、日本人投資家が主導する買収コンソーシアムも含まれていたという。
ただ、結局は売却が中止となったことで、今ではエンゼルスが大谷との契約延長に合意できるかが“カギ”と伝えられている。
エンゼルスは昨年10月、大谷と新たに1年3000万ドルの契約を結んだ。しかし、大谷は2023シーズン終了後にFA資格を得るため、5億ドル規模の契約を締結しなければならないという声がすでに出ている。
仮にエンゼルスが新しいオーナーを迎えていれば、大谷に新たなビジョンを提示しながら意欲的な投資ができたはずだ。しかし、現状のモレノ氏体制ではビジョンもまともに見せられずにいる状況で、大谷の心を動かせるかも疑問を呈されている。
エンゼルスは2014シーズンを最後に8年連続でポストシーズン進出に失敗している。もし大谷と契約延長に失敗すれば、残りの選択肢はトレードしかない。
エンゼルスの球団売却撤回を受け、『スポーツ・イラストレイテッド』のファンネーションでは「モレノ氏が売却しないというニュースは衝撃的だ」とし、「エンゼルス周辺の多くの人々は、日本主導の投資家グループがエンゼルスの新しいオーナーとなり、大谷残留を説得してくれることを願っていた」と伝えた。
続けて、「モレノ氏は大谷と初めて契約する際に説得したが、組織に大きな変化がない限り、残留を説得することには困難をきたすだろう」と展望した。
(記事提供=OSEN)