大谷は29日、本拠地エンゼル・スタジアムで行われたシカゴ・ホワイトソックス戦に「2番・指名打者」で先発出場し、5打数3安打、2得点と活躍した。
ぞっとする場面は4打席目に出た。
エンゼルスが4-9の5点ビハインドを背負った8回一死走者なしの状況。大谷は相手2番手ケイナン・ミドルトンが5球目に投じた154kmの高めのストレートを打ち返し、中前安打につなげた。
大谷の打球は速度が164kmに達するほどインパクトが正確だった。ところが、その打球はミドルトンの頭部の方へと向かった。
危うく大事故になるところだったが、幸いにもミドルトンが驚くべき反射神経でこれを避けたことで、打球は内野を越えて中堅手の前まで転がった。
その瞬間、大谷のワールドクラスの人柄が発揮された。
大谷は一塁へ向かう途中も左手を上げ、ミドルトンに謝罪の意を伝えると、一塁に到着してからも憂慮混じりの表情とともに重ねて申し訳ない気持ちを伝えた。
投手が打球に当たったわけでもなく、打者がわざと投手の頭部を狙って打球を飛ばしたわけでもない。それでも、大谷は安打の喜びを満喫する前に、相手投手から気取る品格を誇った。
エンゼルス中継を担当した地元中継陣は大谷の人柄に魅了された。米イリノイ州現地放送局『NBCスポーツシカゴ』キャスターのジェイソン・ベネッティが「大谷の打球に打者が気をつける必要がある。はたしてこれを見た大谷は大丈夫だっただろうか」と話すと、解説のゴードン・ベッカムは「あれは大谷の習慣だ。謝罪が身についている」と賞賛を惜しまなかった。
なお、試合は5-11でエンゼルスが敗れている。
(記事提供=OSEN)