反対団体との衝突の懸念がある――。それを理由に性的少数者のイベントに会場を貸さないことは、「差別行為」に当たるという判断が韓国で出た。
10月28日、韓国の国家人権委員会は、ソウル歴史博物館とソウル市公益活動支援センターがソウルクィア文化祝祭組織委員会のイベント会場貸出を拒否したことについて、「合理的な理由がない平等権の侵害」と判断したと発表した。
また、ソウル歴史博物館とソウル市公益活動支援センターの責任者には「性的少数者関連のイベントの施設利用申請を合理的な理由なく不承認としないように」と、会場貸出運営規定および関連条例の改正推進など、再発防止策を勧告した。
今年3月、ソウルクィア文化祝祭組織委員会は、第25回ソウルクィア文化祝祭の一環として、海外の性的少数者人権活動家を招いた講演会を開催するため、ソウル歴史博物館とソウル市公益活動支援センターに施設の利用を申請した。
それに対して、ソウル歴史博物館は「社会的な対立が懸念されるイベントで、博物館の運営・観覧に支障をきたす」という理由で、公益活動支援センターは「会場貸出運営規定に反する」という理由で申請を却下した。
韓国で性的少数者のイベントは、保守的な学父兄団体やキリスト団体などの激しい反発を呼ぶことで知られている。
実際に10月27日には、ソウルの光化門、ソウル駅、汝矣島(ヨイド)などの地域で、保守的なキリスト教界が連携した「1027韓国教会200万連合礼拝および大祈祷会組織委員会」の主催した大規模な集会が開かれた。この集会では、同性婚の合法化や差別禁止法の制定に反対する主張が展開された。
警察によると、現場には約23万5000人が集まり、参加者たちは「多数派への逆差別助長」「エイズ感染者の90%以上は同性間の性行為によるもの」などと書かれたプラカードが掲げられ、性的少数者に対する憎悪発言も繰り返されたという。
そのような状況のなかで国家人権委員会は、講演会という性格のイベントが、会場貸出運営規定の拒否事由に該当しないばかりか、反対団体の抗議による運営上の困難をイベント主催団体に転嫁しようとするのは合理的ではないと指摘した。
さらに「該当機関の主張通りであれば、性的少数者関連の団体は今後も施設を利用できなくなる」とし、「それは市民公益活動を支援する機関が、むしろ多様な市民活動を恣意的に制限する結果を招くことになるだろう」と述べた。
国家人権委員会の勧告を受けて、ソウル歴史博物館とソウル市公益活動支援センターが立場を変えるのか、注目が集まっている。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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