近年、同性婚を認める国が増えている。アメリカはもちろん、ドイツやオランダ、フランス、といったヨーロッパ、アルゼンチンやブラジルといった南米でも同性婚が認められており、全世界の約20%の国・地域に及んでいるという。
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ただアジアは台湾が唯一。日本では同性カップルを行政が認める「パートナーシップ制度」を導入する自治体が150以上に増えているが、同性婚は認められていない。
日本に比べて儒教の影響が強く、同性婚に対する見方も保守的と思われるお隣・韓国では、どのようにとらえられているのだろうか。それを知るために参考になる調査結果が発表された。
結婚情報会社ドュオが3月18日に発表した、未婚男女を対象にした「同性婚」と関連する設問調査の結果だ。
それによると、同性婚の合法化に対して、男性は「反対」、女性は「賛成」の意見が優勢だったという。詳しく見てみよう。
まず男性は、同性婚の合法化に対して「賛成」は18.8%にとどまった。「反対」は46.0%で、「関心がない」が35.2%もいた。
女性は同じ質問に、「賛成」が55.2%で過半数に。「反対」は18.0%となり、「関心がない」は26.8%だった。男女で賛成と反対が綺麗に真逆という結果だ。
賛成派と反対派のそれぞれの理由を見ていこう。
同性婚の合法化に賛成する人のほとんどが、「個人の自由」(83.2%)を挙げた。続いて「少数に対する社会的な差別に反対して」が10.3%となり、「性的志向性は先天的だから」(2.7%)、「合法化による問題が予想できない」(2.7%)が主な賛成である理由だ。
一方で同性婚に反対の人のうち、男性は「性的な混乱および疾病の憂慮」(30.4%)、女性は「社会的規範の混乱の憂慮」(44.4%)が最も多い理由となった。
また男性は「社会的規範の混乱の憂慮」(26.1%)、「同性愛の表面化と増加」(17.4%)、「理由なく嫌だ」(17.4%)などが反対の理由となった。女性は「性的な混乱および疾病の憂慮」(22.2%)、「宗教的な理由」(15.6%)という結果だ。
未婚男女を対象にした調査だが、男女でここまではっきりと同性婚に対する意見が異なるのも珍しい。韓国で生まれた女性が生涯を通じて直面するあらゆる性差別を淡々とつづったベストセラー小説『82年生まれ、キム・ジヨン』のときも、男女で絶賛と酷評がくっきりと分かれたが、性に関するセンシティブなテーマという共通点があることも興味深い。
いずれにしても韓国では男性の意見が大きく変わらなければ、同性婚の合法化は難しそうだ。
なお今回の調査結果は2月23~25日、計500人(男性250人、女性250人)を対象に行われて、信頼水準は95%、標準誤差±4.38%となっている。
(文=サーチコリアニュース編集部)
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