韓国で家庭内不和や育児ストレスを理由に生後7カ月の双子の娘を殺害した40代の母親が、控訴審で「誰よりも子どもたちを大事にし、愛していた」と強調した。対して検察は「懲役8年刑が重いとして控訴したのか」と糾弾し、重刑の宣告を要請した。
8月26日、韓国法曹界によると、光州(クァンジュ)高裁・第2刑事部(イ・ウィヨン裁判官)は殺人容疑で起訴された40代の女性A氏の控訴審弁論手続きを終結した。
A氏は昨年11月18日8時30分頃、全羅南道麗水市(チョルラナムド・ヨユシ)のマンションの一室で、眠っていた生後7カ月の双子の娘の顔に布団をかぶせて殺害したとされている。
A氏は過去に流産を経験し、体外受精によって双子の姉妹を授かったことが調査でわかった。
ただ、超未熟児として生まれた子どもたちは、数カ月間の集中治療を受けたものの、「永久的な障害を負う可能性がある」という趣旨の診断を受けた。ここに夫の暴言、ワンオペ育児、経済的問題、産後うつなどが重なり、犯行に至ったというのがA氏側の主張だ。
この日、A氏は最終陳述を通じて「目を開けて閉じるたびに子どもたちを思い出す。名前を呼ぶことすら罪深い。すべてが私の過ち」としながらも、「誰よりも子どもたちを大切にし、愛した私の思いだけは汲み取ってほしい」と強調した。
夫B氏もまた「すべて私のせいだ。妻は控訴する考えもなかった。私が控訴しようと言ってここに立っている」とし、A氏への善処を訴えた。
一方、検察はA氏側が主張する犯行動機が理解できないとして、法定の最高刑の宣告を裁判部に要請した。
検察側は「親に子どもの命を決定する権限はない。仮に被告人が語ったすべての状況を考慮したとしても、子どもを殺害したことは納得できない」とし、「このようなやり方なら、我が国で児童殺害が絶えないだろう」と声を強めた。
続けて、「(被告人は)一審の懲役8年が重いといって控訴したのか」としながら、裁判部に「法律が定める最大限の刑量を宣告してほしい」と要請した。
A氏に対する宣告公判は来る9月16日に行われる。
一方、一審裁判部はA氏の犯行が特別な事情が認められる、いわゆる「酌量動機による殺人」に該当するとみて懲役8年を宣告した。
一審裁判部は「非難の可能性が非常に大きく、罪質もまた非常に悪い」としながらも、「経済的問題や妊娠・出産の困難、子どもの養育方法などで配偶者から叱責を受け、極端な抑うつ感に陥ったとみられる点などを考慮して刑を定めた」と判示した。
(記事提供=時事ジャーナル)
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