韓国で知人をガスライティング(心理的支配)して金品を搾取し、無差別に暴行して殺害した後、遺体を長期間放置した50代女性とその一味が拘束・送致された。
9月15日、韓国警察によると、全羅南道(チョルラナムド)の務安(ムアン)警察署は同日、殺人および死体遺棄の容疑で50代女性Aと共犯の50代男性B氏、C氏を拘束送致した。
A氏らは5月15日午前0時から午前5時の間、木浦(モクポ)市のとある駐車場で50代女性の被害者D氏を竹などで無差別に暴行して殺害し、数カ月間車内に遺体を放置した容疑を受けている。
主犯格のA氏は、「D氏が貸してくれた金を返さなかった」と主張した。だが、警察はA氏とD氏の間に債務関係を証明できる証拠を確認できず、むしろ被害者D氏がこれまで周囲の人に50万~150万ウォン(日本円=約5万3000円~約15万円)ずつ借りて、数回にわたりA氏に渡していた情況を確認した。
巫俗人(シャーマン)出身とされるA氏がD氏をガスライティングして金品を奪ってきており、経済難に陥ったD氏がある時点から金銭を渡せなくなると暴行が始まった、というのが警察の見方だ。
そして挙句の果てに、A氏は知人の50代男性B氏、C氏に「D氏が金を返さないから懲らしめろ」と伝え、2人を暴行に加担させた。
A氏は普段から自身の年齢を30代後半と偽り、一人暮らしの男性に接近して好意があるかのように振る舞い、自身の影響下に置いてきたと把握されている。B氏とC氏は「A氏に言われたので、彼女に気に入られようとして暴行に加担した」という趣旨で供述した。警察は、A氏が被害者D氏に加えて男性B氏、C氏もガスライティングして犯行に及んだと見ている。
A氏一味の犯罪行為は、犯行に使われた車両の所有者であるB氏の自白によって発覚した。犯行後、罪悪感と負担感に苦しんでいたB氏が、自身の知人に「車内に遺体がある」と打ち明けたのだ。
警察はA氏が他の知人からも金品を脅し取った別の余罪がある可能性を排除できないと見て、捜査を続ける方針だ。
(記事提供=時事ジャーナル)
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