「僕の父親を探してください…」
韓国人男性とフィリピン女性の間に生まれた混血児“コピーノ”(コリアン+フィリピーノの造語)が増加している。その数は少なくとも1万人、多くは3万人と推定されている。
問題は、多くのコピーノを韓国人男性たちが見捨てているということ。フィリピン女性を妊娠・出産させても、養育費どころか連絡さえ絶ってしまう韓国人男性が多いという。
実際に、江原道の春川地方裁判所が7月10日に明かしたところによると、韓国人の父親に見捨てられたコピーノによる親子確認訴訟が2015年9月から7月現在まで、5件も受け付けられている。また、ソウル家庭裁判所では2014年、とある韓国人男性がフィリピン女性に訴えられ、コピーノの養育費の支払いが義務付けられる判決が出ている。
ただ、コピーノ問題の取り扱いはあくまで限定的で、韓国国内で活発に議論されているとまではいえない。デリケートかつ恥ずかしい実態だけに、真相解明がしづらいのだろうか。
そもそもフィリピンを訪れる韓国人観光客は近年急増しており、年間100万人を突破。海外旅行者の全体数も増えているのだが、特にフィリピンには50代以上の韓国人男性が多く訪れている。彼らがフィリピンを好む理由を、ある韓国メディアは次のように分析する。
「50代中年男性が中心となっている東南アジアのゴルフ旅行は、すでに“海外遠征性売買ツアー”と変わりのない扱いを受けている。その中でもフィリピンは、韓国の中年男性に圧倒的な人気を誇っている。比較的近い距離と整備されたゴルフ場、カジノ産業の発達などが人気の理由だが、本当は一緒に遊べる“若い女性”が多いという点が大きい」
つまり、フィリピンを訪れる多くの韓国人男性の目的が“買春”にあるという指摘だ。
その報道によると、フィリピンでは「30~50万ウォン(約3~5万円)ほど握らせれば、希望するレベルの女性を自由にできる」という。廉価でフィリピン女性を買い、一時の快楽を堪能して、あとは出産しようが知らん顔。そんな一部の自分勝手な韓国人男性が増えたことで、父親に捨てられたコピーノが増加しているというわけだ。
韓国中年男性が海外買春へと走る背景には、2004年9月から施行された「性売買特別法」があると考えられる。
韓国国内で性売買に関わることは重罪で、たとえば性売買の斡旋は3年以下の懲役、または3000万ウォン(約300万円)以下の罰金に処される。要するに、国内の取り締まりが厳しくなったことで、性売買を国外に求めるようになったというわけだ。
韓国女性による売春の海外遠征がクローズアップされることが多いが、女性に負けじと韓国男性の中にも“海外派”が増えているのである。
同じく“ジャパニーズ・フィリピーノチルドレン”(俗称ジャピーノ)問題を抱えている日本では、国籍法改正などの対策が取られた。ただ韓国では、未だに対策が遅れている状況だ。コピーノは訴訟で勝訴すれば韓国国籍を取得できるが、あくまで裁判次第だという。
このまま対策が遅れるようだと、昨今の海外旅行ブームも相まって、コピーノは今後も増加してしまうのかもしれない。
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