今年の試験実施日は11月18日で、韓国中の受験生たちはラストスパートに入った。
超学歴社会である韓国において、大学入試は一生を左右する問題だ。それだけに、国を挙げて受験生の不正に対するチェックも厳しい。実際、2020年には悪意や故意がなかった場合にも関わらず、232件の不正が発覚して、その場で受験生は試験を強制終了された。
【関連゜】一生が決まる“スヌン”…韓国大学入試出題委員たちの知られざる「監禁」生活とは
このように、試験会場のチェックはかなり念入りに監視されている。
まず、ひとつの部屋には、最大24人までの受験生と決まっていて、各部屋には2~3人の監督官が配属される。また、受験生の電子機器所持可否検査のために廊下監督官には金属探知機を支給され、筆記用具とアナログ式の腕時計以外は試験会場に持ち込めない。試験場または試験中に所持できない物品を持っている場合、不正行為として摘発される。
また、各試験場ごとに地域内警察力を支援され、受能当日試験場周辺パトロールも強化される。さらに、監督官は試験時間中に受験生の本人かどうか、携帯可能時計所持かどうかを確認し、1教時と3教時には別の時間を置いてより綿密に確認する。
特に受験生の身分確認のために監督官は受験生にマスクをしばらく下げるように要求して顔を直接確認することになる。
このように、試験会場では大きなプレッシャーが受験生たちを襲うことになる。電子機器の持ち込みなど、思わぬうっかりで一生を棒に振るかもしれないと思うと、それだけで恐ろしい。
こうした試練を乗り越えた先に、受験生たちは何を望んでいるのか。韓国のアルバイト求人サイトの「アルバモン」が今年スヌンを受ける1250人を対象にアンケート調査した結果によると驚きの回答が一位となった。
なんと、全体の52.1%が「アルバイトがしたい」と答えたのだ。ちなみに、その理由として挙げられたのは、「自らお金を稼ぎたい」、「大学の進学費用にあてたい」という回答が大多数だった。
「遊びに行きたい」や「休みたい」という回答よりも「働きたい」という回答には驚きだ。自分へのご褒美よりも、現実を直視しようとする姿勢は、昨今の韓国の現状を何よりも認識しているのは、若者だという結果なのかもしれない……。
文=サーチコリア編集部
前へ
次へ