ここ数年、eスポーツに関する整備が進んでいる日本では、eスポーツに現役アイドルが関わることが増えてきた。
2020年9月に行われた日本全国の高校生がeスポーツの頂点を競う大会『STAGE:0』(ステージゼロ)では、今最も勢いがある人気アイドルグループ、日向坂46が応援マネージャーを務めるなど、目覚ましい活躍を見せている。
特に2期生メンバーの丹生明里は“ガチゲーマーアイドル”として、地上波のゲーム番組に引く手数多の存在だ。テレビ東京のゲーム番組『有吉ぃぃeeeee!~そうだ!今からお前んチでゲームしない?』では、単なるアイドル枠としてではなく、日頃からゲーム(フォートナイト)をやり込んできたという実力をまざまざと見せつけている。
一方で、eスポーツに関して日本よりも数段レベルが高く、世界トップクラスとされているお隣・韓国では、どんなことが行われているのだろうか。
eスポーツ専門放送局『SPOTV Games』があり、その美人アナが話題になったりして盛り上がっている。そればかりか、現役の人気アイドルによるeスポーツ大会まで行われているのだ。
韓国では『アイドルスター選手権大会』と銘打ち、2010年から毎年旧正月と秋夕(チュソク、陰暦8月15日)の年2回、特別番組が放送されてきた。
その番組は今をときめく韓国のトップアイドルたちが陸上競技、サッカー、アーチェリーなど、さまざまな種目にチャレンジし、数々の名シーンが生んできた。
しかし2020年は新型コロナウイルスの影響により、番組自体の存続に危機が訪れた。番組進行のためにも多くのスタッフが必要であり、観客席にも多くのファンを入れて行われてきたため、開催は難しいという判断だ。
放送が危ぶまれた番組だが、それでも2020年は『アイドルスター選手権大会』は、eスポーツという名目で放送された。大会には日本でも有名なIZ*ONEやNCT Dream、The Boyzといったトップアイドルたちが出演し、ゲームの腕前を存分に披露してきた。
特にIZ*ONEチームには、元48グループのメンバーとして日本でも知名度の高い宮脇咲良と矢吹奈子も参戦。
宮脇咲良はバラエティ番組で日常的に愛用しているゲーミングチェアや、PC周辺機器などのギアを紹介するなど、韓国ではゲーマーとしての一面を存分に披露している。
そして宮脇咲良は『PUBG』部門で独自のサバイバル術を披露し、誰も倒さず準優勝するなど、確かなプレイ技術を見せつけ、大会を沸かせた。
このような番組構成が実現できたのも、韓国が世界トップクラスのeスポーツ大国で、ゲームそのものが絶大な市民権を得ているという事実が物語っているだろう。
日本でも今後、アイドルが単純にeスポーツに関わるだけでなく、地上波でアイドルのeスポーツ大会のような番組が行われる可能性も高く、そしてそれが、日本でeスポーツが市民権を獲得し、大人たちの理解度アップへの近道なのかもしれない。
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