超学歴社会の韓国で自主退学生が増加しているワケ…就職難を乗り越える“秘策”?

2021年09月17日 社会
このエントリーをはてなブックマークに追加

受験生たちにとって本番となるのは、毎年11月中旬に実施される日本のセンター試験に該当する「大学修学能力試験」だ。韓国のお盆である秋夕(チュソク)を終えた後、受験生は本格的な猛勉強シーズンに突入する。しかし圧倒的な高学歴社会は、現役受験生たちに不利な状況を作り出している。それが、現役大学生たちの自主退学率の上昇だ。

専門家によると、各大学の中退者のほとんどが、腰掛けとしてとりあえず大学に入り、再度、志望校を目指しているという。こうした中退者による再入学は、確実に合格枠を圧迫していて、現役学生たちには不利な状況となった。

9月8日、韓国メディア『毎日経済』が全国の4年制大学の年度別退学状況を分析した結果、2020年188大学の再入学生は5.9%で、10年前(3.3%)より2.6%ポイントも増加した。今回の分析は、サイバー・宗教大学を除く全国の4年制大学を対象に行われた。

警察が受験生を試験会場に送ることも

こうした状況は、首都ソウル近郊の大学で急速に高まっている。ソウル内にある39の大学の内、再入学生率は2010年度2.9%から2020年度7.1%と4.2%ポイントも増加している。

実際に2020年4年制大学の自主退学生の数は2万人を超え、188校の新入生述べ34万7657人のうち2万666人が退学している。

“有名大学卒業”という就職戦線での武器を手に入れるために、年々過熱化していく韓国の受験戦争。高みを目指すのは素晴らしいことだが、「大学で何をしたいのか」という部分が希薄化している感もある。目的と手段が逆転している現状が改善されればいいのだが…。

前へ

2 / 2

次へ

RELATION関連記事

デイリーランキングRANKING

世論調査Public Opinion

注目リサーチFeatured Research