韓国のソウル市が超少子化の危機を克服するために、思い切った対策に乗り出した。
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ソウル市は10月29日、低出生対策として来年から6兆7000億ウォン(約7406億円)を投資する「誕生応援ソウルプロジェクト」シーズン2を推進すると発表した。
2022年に発表した「オンマアッパ(母父)幸福プロジェクト」の拡張版だ。
合計特殊出生率0.72(2023年)と超少子化で知られる韓国だが、なかでもソウル市は全国最低の0.55だ。それを克服するためのプロジェクトというわけだが、どのような内容だろうか。
まず、住宅分野の対策が目につく。
来年1月から子供が生まれた無住宅世帯には2年間、計720万ウォン(約79万6000円、1世帯当たり月30万ウォン=約3万3000円)の住居費を支援する。住居費のためにソウルを離れたり、子供を産むことをあきらめたりすることを最小化するための対策だ。
2025年は1380世帯を支援し、2026年には4140世帯に拡大する計画だ。
支援対象は、来年1月1日以降に出産した世帯のうち、△無住宅者であり、△公共賃貸住宅の未居住者であり、△住宅はチョンセ保証金3億ウォン(約3300万円)、または家賃130万ウォン(約14万4000円)以下という3つの条件を満たさなければならない。
次に、結婚準備や新婚生活のために、来年から最大100万ウォン(約11万円)を支援する。来年1月1日以降に婚姻届を提出した、1年以内の新婚夫婦(中位所得150%以下の世帯)が対象で、来年2万世帯以上を支援する予定だ。
さらに、必需の育児用品を最大半額で購入できる「誕生応援モール」を来年3月にオープンする。ソウル型キッズカフェは各洞(日本の町に相当)に1カ所ずつ、2026年までに400カ所を設ける予定だ。
他にも様々な対策が立てられている。「誕生応援ソウルプロジェクト」シーズン2を通じて、ソウル市の出生児の増加傾向をさらに加速させる狙いだ。韓国統計庁によると、今年4月から8月まで、ソウルの出生数は前年同期比6.6%増だ。ソウルの出生数が5カ月連続で増加したのは、12年ぶりのことだという。
オ・セフンソウル市長は「誕生応援ソウルプロジェクトは、子供を産み育てやすいソウルを作り、新しい命の誕生を増やし、育児の負担を軽減することが核心である」と述べ、「困難の中で生まれた出生率の増加という希望の火種を、さらに大きな炎に育てるため、シーズン2を通じてこれまで出産を阻んできた様々な要因を親和的に変えていきたい」と強調した。
関連ニュースを受け、韓国のオンライン上では「余計な機関に予算を使わずに、出生時に子供1人当たり月150万ウォン支援すればいい」「結婚式の文化も簡略化すべき」「高所得者は国民ではないのですね。税金を多く払っているのに」といった意見が見られた。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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