合計特殊出生率が日本の1.20(2023年)よりも低い0.72(2023年)と過去最低を記録している韓国で、20代と30代の結婚や出産への意思が高まっていることがわかった。
韓国の低出産高齢社会委員会が10月14日、今年8月31日~9月7日に男女2592人を対象に実施した「結婚・出産・養育および政府低出生対策認識調査」の結果を、3月に実施した認識調査の結果と比較して発表した。
それによると、未婚の回答者の65.4%が「結婚を具体的に計画していたり、いつか結婚したいと考えたりしている」と答えた。これは3月に行われた調査(61.0%)に比べて、4.4ポイント上がった数字だ。
特に数字が上昇したのは「30代女性」だ。3月の調査(48.4%)よりも11.6ポイント上がった60.0%が結婚の意思があると回答している。
そもそも結婚を肯定的にとらえる比率も、3月の調査(70.9%)から今回71.5%に上がった。この部分においては「25~29歳男性」が68.3%から75.4%と大きく数字を上げた。
興味深いのは、結婚だけでなく「子供」に対するポジティブな認識も男女ともに増加していることだ。
特に子供に対する肯定的な認識が低かった「25歳~29歳女性」は、48.1%が肯定的で、3月(34.4%)より13.7ポイントも急上昇した。
全体の回答者の68.2%は「子供が必要だ」と回答しており、3月(61.1%)よりも7.1ポイント増加している。結婚はしているがまだ子供のいない既婚者の出産の意思は50.7%で、3月(42.4%)より8.3ポイントも増加した。また、回答者が理想とする子供の数は平均1.8人だった。
ただ、すでに子供がいる回答者のうち、追加で子供を出産する意思があると答えた割合は9.3%にとどまっており、こちらは3月(10.1%)よりも減少している。追加出産の意思がない、または計画できない理由としては、「子供の養育費負担(46.1%)」や「子育てが難しく感じるから(40.7%)」が挙げられた。
回答者の64.6%は、韓国政府の少子化対策について聞いたことがある、または内容を知っていると回答。女性の認知度が68.0%で、男性(61.3%)より高く、特に40代女性の認知度が68.4%で最も高かった。
回答者は、少子化問題を解決するために重要な分野として(複数回答)、「仕事と家庭の両立支援(85.7%)」「育児支援(85.6%)」「住宅などの結婚・出産支援(84.1%)」を挙げた。
男性は「住宅などの結婚・出産支援(85.0%)」を、女性は「仕事と家庭の両立支援(88.9%)」が最も重要だと回答しており、子供のいる世帯は「育児支援(89.0%)」を挙げた。
去る6月、低出産高齢社会委員会の委員長でもあるユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領が「人口国家非常事態」を宣言し、仕事と家庭の両立、養育、住居の3大革新分野を総力支援するという内容の「低出生趨勢反転のための対策」を発表した。
2030年までに合計特殊出生率1.00が目標値だ。ユン・ソンニョル大統領は、今年を少子化反転の元年と宣言したことについて「合計特殊出生率の反騰と低出産克服のため、年金・労働・教育・医療の4大改革を実現するために最善を尽くす」と抱負を述べた。
そんな政府の本気が伝わったのか、3月に比べて結婚や出産への意識が高まっている韓国。アンケート調査の結果通り、ここから流れが変わっていくのか注目したい。
(文=サーチコリアニュース編集部O)
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