内縁関係にあった女性軍務員を殺害し、遺体を遺棄した男性が、控訴審でも無期懲役を言い渡された。
ソウル高裁・春川裁判部の刑事1部(イ・ウンヘ裁判長)は8月27日、殺人などの罪で起訴されたヤン・グァンジュンに対し、一審と同じく無期懲役を宣告した。
裁判部は「被告人の犯行の内容と手口は極めて残虐で、人間に対する最低限の尊重すら見られない。生命の尊厳や亡者に対する尊重といった基本的価値を毀損しており、到底寛大な処分を望むことはできないほど罪責が重い」と指摘。続いて、「殺意はなく、突発的な犯行だった」と主張するヤン側の弁明を退け、「殺人に至る過程を見ても、被告は周到に計画された方法で犯行に及んだ。死体損壊や隠匿は決して突発的な行為ではなく、殺人を隠蔽するための計画的犯行だ」と断じた。
さらに「被告は控訴審で5000万ウォン(約500万円)を供託したが、被害者遺族はこれを拒否し、厳罰を求めている。被告は犯行を隠すため猟奇的な手段に及び、遺族はいまなお極度の精神的苦痛から抜け出せていない」と述べた。
そのうえで「被告は被害者を残虐に殺害することで、被害者とその家族、知人たちの関係性や思い出までも無残に破壊した。反省文の提出や供託を含め考慮しても、被告を無期限に社会から隔離し、懺悔させることが不可避だ」と判示した。
ヤン・グァンジュンは昨年11月25日、京畿道・果川市の部隊駐車場で、乗用車に同乗していた女性軍務員A氏を口論の末に絞殺。その後、遺体を損壊し、翌日には江原道華川の北漢江に遺棄した罪に問われている。
2人は内縁関係にあり、関係が露見するのを防ぐため犯行に及んだとされる。犯行後には、A氏の携帯電話から家族や知人、職場にメッセージを送り、生存しているように装うなど、殺害の隠蔽を図ったという。
ヤン・グァンジュンは京畿道果川の国軍サイバー作戦司令部所属の中佐相当の階級で、転勤発令を受けてA氏と同じ部隊で勤務していた任期制軍務員だった。この事件を受け、軍当局から懲戒免職処分を受けている。
一審でも無期懲役判決が下された。その際、裁判部は「自身の犯行の深刻性と重大性を本当に認識し、真摯に悔いているのか疑問だ。反省文を提出する一方で、被害者との関係で感じた負担や苦痛を語り、突発的な犯行だったと弁明している」と厳しく批判。ヤン・グァンジュンは一審で反省文を7回提出し、控訴審では実に136回も提出していたという。
(記事提供=時事ジャーナル)
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