10月に韓国を訪れた外国人観光客が160万人を記録し、前年同月比で30.1％増加したことが報告された。
韓国観光公社は11月28日、10月の訪韓外国人観光客が160万人と発表した。これは、新型コロナ前である2019年10月の水準と、ほぼ回復した数字だ。
最も多くの観光客が訪韓したのは中国で、39万2000人を記録した。日本（32万3000人）が続き、以下はアメリカ（14万1000人）、台湾（13万3000人）の順だった。
日本からの観光客は、2019年同月比で30.1%増加。アメリカと台湾からの観光客もそれぞれ39.6%、4.3%増加した。
今年1～10月の累計外国人観光客数は1374万人で、前年同期比で54.7%増加し、2019年同期間の94%となった。国別では、中国（400万人）、日本（263万人）、台湾（124万人）、アメリカ（112万人）が多かった。
数字を見れば明らかなように、前年比で増加しているものの、新型コロナ以前の水準には達していないことがわかる。
コロナ前以上の外国人観光客が訪れている日本とは対照的な状況だ。
日本政府観光局が11月20日に発表した訪日外客統計によると、10月に日本を訪れた外国人観光客は331万2000人に達した。
これはコロナ前である2019年の同月比で32.7％増の数字だ。過去最高だった2024年7月（329万2602人）を上回り、単月過去最高記録を更新している。
また、今年1～10月の総数で見ても、外国人観光客は累計3019万2600人を記録しており、過去最速ペースでの3000万人突破を達成した。
新型コロナ前の水準に近付いている韓国と、新型コロナ前を完全に上回った日本という状況だ。
なぜ韓国に外国人観光客が戻ってこないのか。
最も多く韓国を訪れる中国人観光客が帰ってこないことが一番の理由といえる。韓国観光公社によると、2019年に韓国を訪れた中国人観光客は602万3021人だった。
しかし、2023年に訪韓した中国人観光客は201万9424人にとどまっている。今年は1～10月までで400万人だが、残り2カ月で600万人にまで回復する可能性は低い。
実際に今年10月の中国人観光客数は、2019年10月の69%ほどの水準なのだ。
中国は2023年8月に韓国への団体観光を再開したが、依然として韓国を訪れる観光客は以前に比べて少ない。その理由について、韓国メディア『アジア経済』は「中国の経済状況によるものと解釈されている。中国は不動産市場の低迷、内需の不振、デフレーションへの懸念など、様々な悪材料が出ている」と報じた。
また、Yuanta証券のイ・ファンウク研究員のコメントとして「中国政府の団体観光の解禁効果は現在まで微々たるものだ。複数の原因が複合的に作用したと考えられるが、最も決定的な原因は中国経済の不振だと判断される」と伝えた。
最大の原因は、中国人観光客が戻ってこないという点だが、それだけではない。東南アジアの国家で訪韓観光客が第1位だったタイだ。
韓国観光公社によると、訪韓したタイ人観光客は、9月に1万8868人（2019年3万6052人）、10月に4万167人（2019年6万5878人）と大きく減少している。
日本と比べてもわかりやすい。日本政府観光局によると、今年9月に日本を訪れたタイ人観光客は4万5500人で、韓国に訪れたタイ人の2.41倍が日本を訪れている。
2019年9月の日韓の差（訪日6万2100人、訪韓3万6052人）が1.72倍だったことを踏まえると、差がさらに開いていることがわかる。
タイ人観光客の“韓国離れ”は、2023年末に韓国法務部が「電子渡航許可制度（K-ETA）」を導入したことが影響していると見られている。
韓国は入国ビザが免除されている国籍の渡航者に対し、K-ETAの取得を新たに義務付けた。しかしその後、出入国審査でタイ国籍の人々が明確な基準なしに入国拒否される事例が相次いだのだ。
カン・ユジョン議員が韓国観光公社から提出された「K-ETA施行以降の年間団体訪韓観光キャンセル状況」によると、2023年にタイで少なくとも91の団体、計9947人がK-ETAの影響で計画していた韓国旅行を断念したという。
いずれにしても韓国のインバウンドは、コロナ前の水準を超えられない状況が続いている。ここからの逆転があるのか、注目したい。
（文＝サーチコリアニュース編集部O）
■「もう二度とごめんだ！」中国人観光客が韓国にガッカリする理由
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