「SP」や「要人警護」と聞くと、どんな人物を思い浮かべるだろうか?
ほとんどの人々は、屈強な男性を想像するだろう。
しかし、韓国には女性のSPがいた。しかもその女性は、SPとして活動した後、女優としてデビューしてしまうほどの美貌の持ち主だ。
その人物は、イ・スリョン。現在、彼女はまさに“時の人”となっており、6月14日にバラエティ番組で経歴について語った際は、韓国最大の検索サイト「NAVER」で急上昇ランキング1位に躍り出たほどだった。
そんな彼女について紹介する前に、まずは驚くべきその美貌を見てみよう。
イ・スリョンは今年1月に放送された中韓合作ドラマ『最高のカップル』に出演するなど女優としての活動も順調だが、やはり注目を集めているのはその“特殊すぎる経歴”だ。
現在36歳。2004年から2013年まで10年間「大統領警護室」に務め、要人警護を行ってきた。
彼女が警護した要人は、廬武鉉元大統領から李明博元大統領、朴槿恵前大統領まで韓国大統領が3人。さらに安倍総理にブッシュ元アメリカ大統領と20カ国以上の国賓も警護してきた。
韓国で女性がSPを務めるのはイ・スリョンが初めてだった。
なぜ、彼女はそんな前人未到の職に就こうとしたのだろうか。
イ・スリョンはその理由についてあっさりと語っている。
「楽しそうだったから」
彼女の性格が垣間見える発言だが、もともとは違う仕事に就きたかったという。
「メディアの仕事がしたくて試験の準備をしていたんですが、そのとき“女性SP募集”という情報を目にして。これは楽しいだろうってドキドキして志願したら、一発で受かったんです。(大学が)英文科だったことがよかったみたいです。危機的な状況でVIPを守るうえで英語は基本になりますから」
もっとも、イ・スリョンが受験した際の合格倍率は50~60倍だったことを考慮すると、語学力だけで合格したというのは謙遜だろう。
実際、彼女はほかの能力も申し分ない。
IQは146と頭脳明晰、運動の面を見てもテコンドー5段という常人離れしたスペックの持ち主なのだ。
そんな彼女はSP出身だけに実用的な護身術について尋ねられることもあるが、彼女の返答はなんともオリジナリティに溢れていて面白い。
「護身術なんてない。大きな声で叫ぶのが一番。“火事だ!”と叫ぶのが最高ですね。音節が短くて良い」とのことだ。
それでも何か強いて挙げるとするならば、「急所を攻撃すること」だそうだ。プロのSP出身らしいシンプルな回答という気もしなくはない。
ただ、そんなイ・スリョンは「SP出身」という珍しさだけで売っていく気はないそうだ。
検索ランキングに急上昇した際はこんなことを言っていた。
「バラエティ番組に出るのは有名になりたいという理由ではないです。人より遅く女優活動を始めた者として少しでも自分を売って、鍛えた演技力をたくさんお見せできるようにするための切実な努力なんです。温かく見守ってください」
韓国メディアが「見た目は女優、中身は勇者」と評するイ・スリョン。
“美しすぎるSP”が女優としてどう開花するのか見ものだ。
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