“韓国のメッシ”ことチ・ソヨンが“日本キラー”と呼ばれるワケ

2016年03月01日 スポーツ #サッカー
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日本女子サッカー界の象徴と言えば澤穂稀だが、韓国女子サッカーの象徴と言えばチ・ソヨンだろう。

1991年2月生まれ。小学2年生のときから男子生徒たちに交じってボールを蹴り始め、2006年に15歳8カ月で韓国代表デビュー。11月のアジア大会・台湾戦では満15歳と293日という韓国史上最年少ゴールも記録し、“女子高生エース”と呼ばれるようになった。

男子に交じってサッカーを始め、10代で代表エースに。まさに澤穂希と同じような天才少女で、奇しくも母子家庭で育った環境も似ている。チ・ソヨンは決して裕福とは言えない家庭で育ち、彼女がサッカーを続けることに父は反対だった。

ついた異名は「女メッシ」

そのせいで両親は離婚し、チ・ソヨンは「私がサッカーをしなければ両親は別れなかったかもしれない」と悩んだ時期もあったそうだ。

チ・ソヨン(左)

「必ずサッカーで成功してオモニ(母)を楽にしたい。お金を稼いで、チムジルバン(韓国風サウナ)を備えた家をプレゼントしたい」というのが、ささやかな夢だった。

そんなチ・ソヨンは2008年U-17女子ワールドカップ、2010年U-20女子ワールドカップで活躍。2011年からは日本のINAC神戸レオネッサに所属し、なでしこリーグのベストイレブンにも2度輝いた。澤穂稀とチームメイトになったわけだ。

2014年1月にはイングランドのチェルシーLFCに移籍。1年目から19試合出場9得点の大活躍を見せ、現在もチームの主力として確固たるポジションにある。

もちろん、韓国でもスーパーエースだ。卓越した得点感覚とスピードあふれるドリブルはアルゼンチン代表のメッシを連想させるとして、“女メッシ”、“チ・メッシ”とも呼ばれている。

「女メッシ」から「日本キラー」に

そんなチ・ソヨンにはもうひとつ異名がある。“日本キラー”がそれだ。

チ・ソヨン

彼女が“日本キラー”と呼ばれるのは、INAC神戸でのプレー経験もさることながら、韓国代表として日韓戦で多くのゴールを決めてきたことに由来する。

例えば2011年6月に行われた日本との親善試合。チ・ソヨンのゴールで韓国は格上の日本を相手に1‐1で引き分けた。その3カ月後に行われたロンドン五輪アジア最終予選の日本戦でもゴールを決めている(韓国が1‐2で敗れた)。そして、2013年の東アジアカップでは日本相手に2ゴールを決め、韓国に3‐2の勝利をもたらしているのだ。

まさに“なでしこジャパン”にとっては、日本のすべてを知り尽くした“刺客”。メッシのような鋭さで襲い掛かってくる“日本キラー”だ。

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