「反戦メッセージであることはハッキリと把握している」
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かつてセレッソ大阪、大分トリニータ、松本山雅FC、柏レイソルに在籍した全北現代モータースの元韓国代表MFキム・ボギョンは、2月27日にDGB大邱銀行パークで行われたKリーグ1第2節の大邱FC戦で、後半26分に全北現代の先制点であると同時に、自身のシーズン1号目となるゴールを決めた。
なお、試合は1-1の引き分けに終わった。
キム・ボギョンはチームメイトのパスを受けた後、絶妙な個人技で守備をかわし得点を決めた。直後、キム・ボギョンはチームメイトの祝福に「落ち着こう」という手ぶりをし、中継カメラに向かった。
そして、カメラに向かって人差し指と親指を交互に上げ、「NO戦争、ウクライナ!」と2度叫んだ。戦争反対のメッセージとウクライナにエールを送る、短くも力強いメッセージだった。
普段は自身のイニシャルである「KBK」を指で表現するパフォーマンスを披露するキム・ボギョンだが、今回はいつにも増して冷静にパフォーマンスを見せていた。
現場ではキム・ボギョンがどんなゴールパフォーマンスをしていたかが簡単にわからなかった。カメラに近づいて声を上げていたため、何を話していたのかは聞こえなかった。
さまざまな憶測が飛び交ったなか、キム・ボギョンは試合後のインタビューで「全世界から戦争に反対するスターの声が聞こえてくる。そして、ほかの国々もこれに参加するのを見て、僕もこのような言葉を伝えたかった。ウクライナ国民が苦境に立たされ、家族と別れる姿などを見て多くのことを考えた」とコメント。
続けて、「はたして現代が戦争に合う時代なのか、という考えもある」とし、「今日の午前もニュースを見てもどかしさを感じた。だから、こうしたメッセージを伝えることが助けになるのではないかと思い、自分にできることをやってみようと考えた。プレミアリーグでプレーしていたときにウクライナ出身の同僚がいた。そのこともしばらく考えた」と付け加えた。
キム・ボギョンのゴールパフォーマンスには懸念が集まっている。というのもスタジアムにおいては政治的な立場表明があってはならないからだ。同節の仁川ユナイテッド対FCソウル、水原三星ブルーウィングス対水原FCでは、サポーターが戦争に反対する横断幕を掲げていたが、これは合意の末による掲示だ。
韓国プロサッカー連盟の関係者は、「Kリーグは政治的中立に最も大きな価値を置いている。したがって、キム・ボギョンのゴールパフォーマンスについても議論すべきだ」と述べた。
続けて、私見を前提に、「ただ、キム・ボギョンは反戦メッセージを出した。特定の立場の肩を持ったり、擁護したりするのではなく、戦争が起きてはならないということを強調したものと把握した。全世界的に反戦に対する話が絶えず出ており、すでに欧州サッカー界でも反戦メッセージは許容されている。その部分についてもよく検討した後、議論を続けていきたい」と説明した。
(記事提供=OSEN)
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